2022年10月03日
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三百字小説『おませな博士におまかせ』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 ヒロコはおませな天才博士だった。

 みんながヒロコに人生を相談した。

 「男女関係で悩んでいます」

 「それなら子供の私でも分かるわ。ヒロコにお任せよ。セックスのやり方だって知っているのよ。やったことないけど」

 「なんておませな博士なんだ!」とみんな感心した。

 みんながヒロコに相談して納得して帰っていくと最後に一人の子供が残った。

 「うちのリコちゃん人形が淋しそうなの。

どうすればいいの?」

 「相手役の男の子人形を買えばいいと思うわ」

 「オサム君人形ならどこにも売ってないわ。だから質問してるのに。がっかり」

 「えっ、相手役ってマサヒコ君じゃなかったの?」

 「それは3年前にリコちゃんと別れた彼よ」

 子供は帰っていった。

(遠野秋彦・作 ©2022 TOHNO, Akihiko)

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