今日は、台東区立書道博物館と子規庵に行ってきました。
前にどこかの歴史文化施設で、書道博物館の「平成15年秋季特別展 楷書の歴史ーはじまりから完成までー」のパンフレットをもらって来ていて、それが気になっていたので、行くことにしました。
もともと、書にはあまり興味を持っていなかったのですが、まあいろいろとコンピューターと文字の関係に首を突っ込んでしまった関係もあって、書に興味はなくても書体に興味なしと言うわけではなかったのでした。
と言うわけで、愛読書「文庫版 東京 都市図 昭文社刊」で場所を調べて出向きました。
場所は、山手線の鶯谷の駅の近くですが、上野の様々な文化的な施設からそれほど遠くありません。地図で見ると、上野周辺文化的施設は、北の書道博物館から、南の旧岩崎邸庭園まで、かなり広い範囲にわたって存在しているようです。上野侮りがたし、と思いました。
しかし、いざ鶯谷の駅を降りて歩き始めると、なんだかラブホテル街に入って行きます。まったく文化的ではありません。なんなんだ、ここは、と思いながらラブホテルの間を抜けると、書道博物館がありました。
ところが、その向かい側に、「東京文化財ウィーク」という目立つのぼりが。
なんと、書道博物館の向かいが、東京都史跡指定「子規庵」だったのです。そこまでは調べ切れていなかったのでびっくり。
それはともかく、書道博物館へ。
内容は、さっぱり分かりませんでした。結局のところ、楷書の歴史と言っても、ほとんど中国史であり、中国の文書記録の話になります。ですから、日本史の知識で対処できる範囲ですらありません。それでも、ちゃんと字が読めることは驚きであり、分からないけれど見ていて面白いものでした。特に、日本が一応の書かれた歴史を持つようになった時代より前に、これだけの文字を残している中国の奥深さは恐るべし、という感じですね。
他にも、仏像などの書そのものではない展示や、実際に骨に刻まれた古い文字の展示などもありました。
特に、美術的というよりは科学的な態度で展示、運営されているような印象を受けたのが好感で、それゆえに楽しめた面があると思います。
というわけで、ここは見学しに行って悪くない場所だと思います。
公式サイト: 台東区立書道博物館
さて、ついでに子規庵にも入ってみました。
子規庵は、正岡子規が住んでいた場所で、建物は戦災で焼けたものを復元したものだそうです。実際、彼はここに住んでいて、これと同じ形の建物がここにあった、というのは生々しい歴史的な面白さを感じさせますね。とはいえ、ここを運営している人達は、必ずしも歴史的な面白さを主題として行っているわけではなく、俳句の世界への貢献という割合も多いように思われます。
公式サイト: 子規庵
というわけで、少しいつもとは違う世界を歩きました。