うっかりしていました。
入手編( https://mag.autumn.org/Content.aspx?id=20030821175916
)で書いた通り、桜上水啓文堂書店の手書きの宣伝に煽られて買ったようなものですが、この書店では3巻まで平積みでした。しかも、3巻の前半まで、まるでラストのクライマックスであるかのように盛り上がってきたので、読みながら3巻で終わりだとばかり思い込んでいました。ですが、これは全12巻!
それに、テレビドラマになったり、映画化されたり、なかなか世間の注目度は高い作品のようですね。
というわけで、3巻まで感想ですが。
正直なところ、1巻の時点では、どう解釈するか悩むところがありました。というのは、1巻のクライマックスは、沈みゆく船から密入国者を救助する場面にあるわけですが、救助される密入国者が若い美女なんですよね。結局、新米が若い女の声を聞いたせいで無理をしているだけのドラマ、と見えないこともないのです。それから、密入国者と妙に親密になったりすると、イマイチいやな感じのドラマに発展しかねない恐れもあるかなと思ったのですが。そういう方向に進まず、2巻に入ると救助する対象は子供になり、そして、ヒロインの新聞記者との心のドラマに軸足が移ってきて、良い感じになってきましたね。
それとは別に、海上保安庁という舞台の選び方の良さ、というものもありますね。こういう極限状況のハードなドラマは、軍隊や戦争扱ったものが多いと思いますが、誰かを殺す、何かを壊すドラマよりも、人を助けるドラマの方がグッと来るものは多いですね。
というわけで、割と良かったという感想が残ったのですが、さすがに12巻まで読み切れ、というのは難しいですね。他にも読む本が山積みですので。とりあえず3巻で打ち止めにして、残りは機会があれば読みましょう。