2002年05月23日
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青空の下に座る少女が「外が明るくなってきた」と呟くこと

Written By: トーノZERO連絡先

 今回の内容は、関係者のそれぞれが、混乱状況を脱して、自分なりの方法で積極的に事態に関わり始める分岐点と言えるように思います。

 そこで最も大きく取り上げられているのがミミルです。ミミルの行動は、ある意味で非常に賢い選択だと言えます。ベアが作中で語る理由もありますが、それとは別に、コミュニケーションの基盤を作るという意味もあると思います。

 人と人とがコミュニケーションするには、基盤が必要です。コミュニケーションするということは、自分の中の一部を相手に見せるということですが、それを安心して行うには、なにがしかの保証が必要です。コミュニケーションしたいと申し入れられたとしても、すぐに飽きて放り出すのではないか、自分とのコミュニケーションを軽視するのではないかという不安はぬぐえません。コミュニケーションを望むなら、その不安を取り除く何かを差し出さねばなりません。ミミルは、時間を限らずにただひたすら何もせず待つという、普通なら簡単にできないことを行うことにより、ミミルが望む司とのコミュニケーションが、非常に真剣なものであることを示したわけです。

 そして、いくら待たされたとはいえ、あの司が来てくれたということが、ミミルにとって、司が真剣であるという保証として機能します。

 両者が相互に、真剣さの保証を取り交わすことにより、ミミルと司のコミュニケーションの基盤が成立します。もっと、ざっくばらんに言えば、マブダチになれたと言えると思います。

 そこから逆算すれば、ミミルの、ただひたすら待つという選択は非常に有益なものであったと言えると思います。

 それはさておき、ミミルが青空の下で座りながら、「外が明るくなってきた」と言うところは、虚構と現実の世界の二重性をよく示した良いシーンだと思います。こういう、さりげない台詞にゾクッとします。他に、ソラの「これ以上起きていると怒られちゃう」というのも、同様ですね。

 それともう一点。BTがやたら難しい台詞を喋りまくって、本人の現実のキャラクターが透けて見えるのが面白いところです。特にBTが会話している相手が、「自分がロールしているキャラクター」にこだわりを持っていることと好対照と言えます。

 と~のは、軽く触れるだけでこれだけ書くに値することを見せてくれる.hack//SIGNを応援しています。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

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