今日のSEED。
歌姫を人質にして敵の攻撃をやめさせたことに釈然としない者達。しかし、それは戦っているパイロットが弱いからで「艦長や副長を非難する権利はない」と言われると更に追いつめられる主人公。更に、前回安易な気休めを言ったために「嘘つき、大丈夫って言ったじゃない。なんでパパの船を守ってくれなかったの!」とまで言われてしまいます。その上、とどめに「自分もコーディネーターだからって、本気で戦ってないんでしょう」とまで言われて主人公の心はボロボロ。
その心をはき出す相手は、敵軍の歌姫しかいなかったという皮肉な展開。
主人公を信じて良いか揺れる友達たち。
そこで終わっていれば、暗いだけの話になりますが、人質を敵に返すという行動を主人公が取ることで、まっすぐ明るい希望が見えてきます。けして賢い行動ではないかもしれませんが、気持ちはとても良く分かるし、人間がよきものであろうとする希望も感じさせます。そして、友達たちもそれを理解して協力してくれるというのが良いですね。この小さな信頼関係が、この作品でとても光って見えます。「ま、女の子を人質に取るなんて、本来悪役がやることだしな」という台詞も良いですね。
そして、アスランに歌姫を引き渡すと、即座に始まろうとする戦闘。そこで、突然歌姫が天然ボケ風の笑顔を消して、「追悼慰霊団代表の私のいる場所を戦場にするおつもりですか」と厳しく命令を下すのが意外な展開ですね。この歌姫も、奥が深そうです。
今回の見所は、主人公、アスラン、歌姫の3人が、立場の違いを超えてある種の気持ちを共有したことでしょう。敵とか味方とか、そういう大きな枠組みを超えた別の何かが提示されたことが、非常に大きいと思います。これが素晴らしい見所です。
あとは細かいところを。
重力区画から上がると無重力区画という描写が良いですね。回転重力なら、上にあがると重力は小さくなるのが道理です。
宇宙が見える窓に向かって叫ぶ主人公と、いきなりそれを覗き込む歌姫というのが非常に良い演出でしたね。その窓に通路らしきものが反射して見えていたのも、細かい点ですが良いと思いました。
それから、ハロばかり作るアスランというのも妙な不器用さが好ましく感じさせますね。
宇宙服を着るために服を脱ぐ歌姫の描写はドキドキものでした。しかし、着替えたあと、お腹が膨らんで見えて「いきなり何ヶ月って」というのが、ちょっと笑えて楽しかったです。
邂逅地点で、逆噴射で速度を殺すイージス。ちょっと言葉での説明が難しいですが、多数の噴射口を同時に使って速度を殺していたように見えました。
あと、友達から言われる「おまえはちゃんと帰ってくるよな」という台詞と、アスランから言われる「キラ、おまえも一緒に来い!」という台詞が綺麗に好対照となっていて、グッと考えさせられますね。
と～のは、鍵をなんでも開けてしまうハロを応援しています。
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