今回のSEED。
驚かされるのは、よく考えられた目新しいアイデアがまだ続々と出てくること。そして、それが自然かつ合理的に見ている側が受け入れられることですね。本当に建設的に真面目な仕事をしているスタッフの方々が実際にそこにいるということでしょう。素晴らしいことです。
では内容について。
毎度なら、フラガ機とそのの発進がかっこいい~~~。飛行機らしい描写とその見せ方が良いですね。
敵が仕掛ける人を殺さない戦闘。待ち伏せしない戦闘。食料、弾薬、燃料のみを焼き払う戦い。それは、ある意味で合理的です。戦闘継続能力を奪っているわけですから。むしろ、正面切って戦うよりも正しい戦い方です。
フラガをにらむカガリと、それに狼狽するフラガ。更に女達から睨まれるフラガ。この雰囲気が何とも言えませんね。とても面白いシーンです。
逆上して戦いを仕掛けるゲリラ達。止めようとする隊長も止められません。しかし、カガリに行くなという隊長の良心が見られる良いシーンです。
「あんな装備で全滅するだけだ」「どうする?」「私に言われても……」と口ごもるバジルール少尉の可愛さ。そして、難民の子供に優しくするバジルール少尉の意外な優しさと気遣い。このシーンはとても良いですね。アークエンジェルの武闘派として、いつも艦長と対立するバジルール少尉ですが、そうでないときは、こんな顔もできるのですね。
死んだ方がマシ、ということについて語る敵の指揮官。そして、ゲリラの追撃があるかもしれないと知りつつ急がない敵の指揮官。ゲリラが来ると「やむを得ず応戦する」と命令する敵の指揮官。つまり、これはゲリラに対して仕掛けさせた、ということですね。待ち伏せはしていないけれど、実質的に同じことです。
敵メカのコクピットと足を狙うゲリラ達。弱点を狙った? そして、腹を狙う攻撃。腹の装甲が薄いので狙ったという描写なのでしょうか? ちゃんとゲリラの方も戦い方を考えていますね。ただ無謀なだけではないです。そのへんが、この作品の非常に良心的なところです。お涙頂戴で、無謀な攻撃と悲惨な敗北を描くだけの作品も多いのが現状ですから。
歩行から無限軌道移動に変化して機動力アップする敵メカ。ちゃんと、具体的な移動方法のバリエーションとその性質を設定し、かつ、シナリオで生かされている訳ですね。つまり、スタッフ間の連携が取れているわけですね。
砂漠の熱対流でビームがそれる。こういう物理現象を取り入れた展開は良いですね。それは説得力になります。
ちゃんと考えて戦っても惨敗するゲリラ。仲間の死。虎の飼い犬になれないゲリラ達の末路。予想された事態ですが、厳しいですね。そこにやってくるストライク。
「通常弾頭でも、76発でフェイズシフトはその効力を失う」というデータに裏打ちされた冷徹な戦い方。それは、ストライク無敵の否定ということですが、けして夢を壊しているわけではなく、むしろドラマを盛り上げていると言えますね。
そして、またまた切れたキラ。その後の、思いも寄らない戦い方。
高速移動中に捨てたシールドで敵を撃破。
足で砂を巻き上げて敵の攻撃を妨害。
そして、それに隠れて不意打ち。
こういう、意外性のある戦いが見られるというだけで、もう素晴らしくて嬉しい限りです。
と~のは、カガリを叩くキラを応援しています。「気持ちだけでいったい何が守れるんだ!」という台詞には、強い説得力がこもっていますね。そうです。気持ちだけで問題が解決する訳ではありません。気持ちだけで勝てれば、今でも樺太や千島列島は日本の領土です。
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