2003年09月20日
川俣晶の縁側過去形 本の虫感想編total 2834 count

天使な小生意気 20 西森博之 小学館

Written By: 川俣 晶連絡先

 メグちゃんと愉快な仲間達の話もこれで完結。

 途中に読んでいない部分もありますが、それを除けば一通り読んでしまったわけですが。

 いったいこれは何であったのか。

 なぜ、最後まで読まされてしまったのか、考えてみる価値があるかもしれません。

 まず、これがいったい何の話であったのか。

 乱暴者の少年が、魔本に最高の男になりたいと願ったところ、最高の女にされてしまった、というのが基本的な流れですが。それにも関わらず、男の子と女の子の身体の性差でエッチでドキドキなイヤーンな話にはまったくなっていないわけです。それは最後に明かされる真相からすれば当然のこととは言えますが。ともかく、そういう話にはなっていないわけです。

 そのかわりに出てくるのは、ダメな男達が、必死の努力をメグに理解されることによって、本物の男に変わっていく物語です。それと同時に、結局ダメなままで終わるダメな男達も出てきます。

 もしかしたら、このあたりが、この作品の魅力の本質であるような気がします。

 誰からも理解されない必死の努力を、メグだけは理解し、認めてくれます。認められることによって、男は脱皮して一回り大きくなれます。その男の成長こそが、この作品の魅力なのではないかと。成長できない連中もいますが、そうではなく、成長できる男の子達。そうやって認める能力を持つことが、メグの魅力なのであって、実は魔本うんぬんは、どうでも良かったのかもしれません。メグのキャラクターを成立させるために魔本は必要だったかもしれませんが、めぐ団の男どもから見れば、あまり意味のあるものではありませんでしたね。

 まあ、そういうわけで、けっこうダメな男どもに感情移入して読んでしまったのかもしれません。

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