2003年10月23日
遠野秋彦の庵創作メモtotal 4648 count

4つの胸の膨らみは、何でもできる証拠なの

Written By: 遠野秋彦連絡先

 執筆活動をしていない時でも、頭の中で物語の構想を練っていることがけっこうある。

 最近は、複乳探偵というキーワードをテーマに、頭の中で物語をこねていたりする。

 複乳とは、おおむね乳房が2個よりも多い女性を示し、それを偏愛する一部のフェチ的な少数派が存在する。ひたすら、エッチな画像などを追求してネットサーフィンしていると、ふっと目に入ることがあるので、一度ぐらいは複乳美女を描いた画像を見たことがある人も多いと思う。

 しかし、私は複乳フェチではない。複乳マニアのサイトをお気に入りに入れて巡回するようなこともしていない。

 それにも関わらず、なぜ、複乳というキャラクターを小説に導入しようと考えるのか。その理由は、複乳が非凡さを象徴する記号として機能するのではないかという考えを持ったからだ。主人公、ヒーローは、何らかの形で読者にアピールする非日常的なヒーロー性を持つ必要がある。(これは、非日常的なキャラクターであるべき、という意味ではない)。そのヒーロー性を分かりやすい形で象徴する何かの記号というポジションに、複乳という概念を上手く落とし込めるのではないかと思ったわけである。

 それを一言で要約すれば、タイトルのような言葉になるわけである。

 とまあ、そんなことを考えていたところ。

 いきなり、こんな記事を見かけた。

搾乳機につながれた4つの乳房の女性――ニュージーランドの遺伝子組み換え解禁に抗議する過激広告

 これによれば、乳房が4つある女性が搾乳機につながれている姿が、農産物の遺伝子組み換え反対の広告に使われているという。

 実際に写真はここにある。

乳房が4つある女性が搾乳機につながれている姿(写真)

 一部のフェチサイトにしかないはずの複乳女性の写真が、こんなにも堂々と掲載されているとは。しかも、全人生の中のおそらくほんの数日でしかない「複乳について私が考えている」期間にそれが目に飛び込んでくるとは。偶然というものはあるものだと、唸ってしまった。

 しかし、この写真、趣旨は人が家畜のように扱われているということなのだろう。私が考えていた「ヒーロー性の記号としての複乳」とは趣旨が正反対であるという点でも、少しショッキングに感じられた。

 余談のどうでも良い話だが、実は搾乳マニアという人種もある。乳を搾ることに興奮する少数の人達である。更に、女性を家畜のように扱うことに興奮する、言語道断の(しかし一部は女性の)少数派も存在する。それを含めて考えると、この写真は複乳マニアと搾乳マニアと家畜女性マニアに対して強烈にアピールする写真と言えるかも知れない。それを考えると、この写真が真面目な趣旨で作られたものか、それとも、マニアが綺麗事を隠れ蓑に作った画像か、頭が混乱させられるような気もしてきた。

 ともあれ、創作とはこのような混乱の荒波を乗り切る過酷な世界なのである。

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