2004年02月01日
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東京都写真美術館・ファミコン生誕20周年 テレビゲームの展覧会レベルX

Written By: 川俣 晶連絡先

 今日は東京都写真美術館に行ってきました。ファミコン生誕20周年 テレビゲームの展覧会レベルXを見るためです。

正式な名前はいったい? §

 余談ですが、この展示、東京都写真美術館の表紙では★ ファミコン生誕20周年 テレビゲームの展覧会[レベルX(エックス) ] 好評開催中!! と表記していますが、ここをクリックして出てるページのタイトルは東京都写真美術館 テレビゲームの展覧会「レベルエックス」 詳細です。表記が一定していません。Xなのかエックスなのか、その前後の文字列のどこまでが名前の一部なのか不明瞭で、ちょっと気持ちが悪い感じかも。

恵比寿ガーデンプレイス §

 恵比寿で電車を降りるのは初めてではありませんが、恵比寿ガーデンプレイスというところに足を踏み入れるのは初めてでした。思ったより駅から遠いですね。案内を見ながら進んでいったら、勘違いして遠回りになってしまいました。

東京都写真美術館 §

 建物の中に、東京都写真美術館を見つけました。

東京都写真美術館東京都写真美術館 [300x225] [600x450] [750x562] [1000x750] [1632x1224]

 レベルXのポスターも貼ってあります。

レベルXレベルX [300x225] [600x450] [750x562] [1000x750] [1632x1224]

 さっそく入場料を払って入ると、場所は地下。階段をぐるぐる下がることになりました。

入り口の前は最新ゲーム §

 入り口の前は最新ゲームの試遊台が置いてありました。昔のゲームを見る前に、今のゲームを確認して欲しい、という趣旨のようです。

 少しソニックヒーローズをやったところ、チュートリアルの途中からだったようで、しばらく終われませんでした。まあ、これ以上は時間を使えないと思って途中で中断しましたが。しかし、ソニックヒーローズ、なかなか面白いゲームではありませんか。ソニックは速いし、テイルズはシッポを回転させて飛べるし。

 そこから、入場券にスタンプを押されて中に入りました。

中はマニアックな世界? §

 入り口を入ってすぐは、有名ゲームクリエーターのゆかりの品と履歴書が展示されていました。中村光一さんのところは、古いI/O誌が展示してあったりするところが、ちょっと泣けますね。

 それから入り口正面は、ゼビウスが遊べるようになっていて、プロジェクタで巨大な画面に投影されていました。

 展示内容を順次見ていくと、古いゲーム機や古いゲームソフトがずらっと並んで壮観です。ゲーム機に関してはおおむね分かるものの、ゲームソフトは良く分からないものだらけです。実際、私はファミコン世代ではないし、実際にやったファミコンソフトも数えるほどしかありません。まあ、ファミコン関係の仕事をしたことがあるので、ファミコンというハード、アーキテクチャはかなり分かっていて、ある種の親しみを感じますが (生産中止だから、もうこれぐらいは書いても許されますよね?)。そこで遊ばれていたゲーム達について詳しいわけではないのです。(とはいえ、探せば、自分が仕事で関わったゲームが1本ぐらいあったかも知れませんね)

 さて、中ではクリエータのインタビューを上映するコーナーが2つありました。1つは、中村光一さんや、堀井雄二さんや、糸井重里さんが出ていたので見ていたのですが。音が小さくてほとんど聞き取れません。もう1台のコーナーは音が大きくてはっきり聞こえるのに。むしろ、こっちのコーナーの前に座っているのに、もう1台の声の方が聞こえるぐらいでした。ドラクエ関係者への何かの嫌がらせだろうか、(糸井さんは違いますが)、とふと思ったりもしました。

 そして最後のファミコンが出荷される映像の上映コーナー。

 更には、最後に出荷されたファミコン (ニューファミコン)の現物の展示もありました。ちょっと悲しいものがありますね。いや、それよりも、まだ出荷されて続けていたことを驚くべきなのかも知れません。

ゲーム業界はどこで間違ったのか §

 この展示を見て、ゲーム業界はどこで間違ったのか、はっきり見えた感じがします。

 具体的には、PlayStation2が間違った元凶であり、より具体的にはエモーション エンジンであると。

 そういう風に思いました。

 エモーション エンジンというのは、クリエイターが必要とするどんな映像も作り出せる凄いハードウェアとしてアナウンスされ、登場したものです。もう、クリエイターにハードの制約は感じさせないというように主張されていたように思われます。それはハード屋の夢であったかも知れません。

 しかし、ゲームとは、制約と戦うことで、新しい何かを創発してきたものであるとするなら、制約を取り払うことはゲームを殺す行為に等しいと思います。

 更に悪いことに、エモーション エンジンを使いこなすために使われる労力と予算はべらぼうに大きなものになるのだそうです。

 インタビュー映像の中で、糸井重里さんのある発言が辛うじて聞き取れたのですが、彼が、ゲームというのは2~3人が半年ぐらいで作れるものが正しい、と言っていました。これは大賛成です。

 もし、それが本当に正しいとすれば、膨大な労力を投入しなければゲームが作れないという方向性は、ゲーム界を誤った方向に推し進めているのかもしれません。

 そんなことを、古いファミコンソフトのちゃちな映像を見ながら思いました。

更に付け加えるなら、ゼビウスは認めないぞ! §

 まるでこのイベントのシンボルであるかのように、大きく投影されていたゼビウス。しかし、私はこのゲームを認めません。もっと違うシューティングゲームを理想像として持っています。最初にアーケードのゼビウスを見たとき、もしかしたら理想のゲームを先に作られたか、と思いましたが、よく見ると違いました。今でも、もしかしたら、その時に考えた条件を満たすゲームは存在しないかもしれません。いつか、そのゲームを実現したいものですね。もちろん、具体的に何がゼビウスに足りないかは、秘密です。自分で作りたいですからね。これだけ曖昧な文章だけから、それを作るための予算を出しましょう、という会社があれば連絡を下さい。まあ、そんな会社は無いでしょうけど (笑)。

多くの不満を残している? §

 見終わって帰るときに、あまりよい気分になっていませんでした。

 この業界に片足までも踏み込んでいながら、いろいろと後悔することも多くあるからかもしれません。それを何となく思い出してしまったわけですね。

 胸を張れる成果が無いとは言いません。しかし、可能性を生かし切れなかったという後悔の方が多く残ります。

 やはり、真面目にゲームを1本作って成功させないと、後悔は消えないのでしょうか。しかし、ゲームを作って勝負するにはあまり適切ではない時代状況です。

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