2004年04月08日
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いくらでも安易に作れる集団美少女戦闘アニメというジャンルでこれだけの感動と興奮を得られるとは、これも1つの奇跡!?

Written By: トーノZERO連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!

 昨日の爆裂天使の感想。

サブタイトル §

第1話 地獄が静かにやって来る

あらすじ §

 カラスを食う化け物がいました。化け物は、地面の下から出現する奇怪なロボットに乗り込みます。そして、それと戦う謎のスマートなロボットがありました。

 場面は変わって、NEW歌舞伎町という看板が出ている街。

 建築中のビルでジョウと悪人が銃を撃ち合っています。

 バイト中の恭平がスクーターで走っていました。恭平は、渋滞に巻き込まれたため、裏道に入りました。そこで、ジョウと悪人の戦いに遭遇し、ジョウが悪人を仕留めるところを目撃します。

 その後、学校でその体験を友達に話す恭平。この会話で、銃の所持が許可されるようになったという、この時代の状況が明らかになります。ここで、恭平は新しいコックのバイトを紹介されます。

 バイトの雇用主セイは、赤い格好良い車で恭平を迎えに来ます。

 恭平はセイに、パティシエの勉強のために留学したい、そのための資金を貯めていると説明します。セイは、それを素敵だと言います。

 二人は、スーパーで食材の買い物を行ってから、巨大トレーラーの家に到着します。

 そこで、顔に黒いパックで出迎えて、恭平を驚かせるメグとエイミー。

 車内に入ると、ここにいる者達の食事を作ることが仕事だとセイは告げます。

 そして、メグとエイミーが紹介されます。

 ロングヘアでちょっと怖い態度を取るメグ。

 見た目は子供っぽく愛嬌があるけれど、どこか子供っぽくないエイミー。

 そして、エイミーは、「ちょっとぐらい痛い目にあっても長持ちしそうだもん」と恭平を評価します。恭平は戸惑います。

 そこで恭平の採用を決定するかどうか、ジョーの意見を聞かねばならないとメグが言います。

 恭平は、みんな姉妹かと質問しますが、たまたま一緒にいるだけ、とセイは答えます。

 ジョーは、恭平をコックとして採用することを承諾してから、そのまま疲れて眠ってしまいます。

 恭平は、ジョーがあの時に戦っていた女性かもしれないと気付きます。

 そのとき、彼らに仕事が入ってきました。恭平はそのまま帰るように言われます。しかし、恭平が帰ろうと歩いていると、黒服の男達に拉致されてしまいました。

 武装して戦闘準備するジョー。そして、彼女たちはセイの車で出発。

 移動中の車内で、今回の仕事についてセイが説明します。晴海の倉庫で武器密売組織の取引があり、そこで取引されるディスクがターゲットだと言います。

 セイの車を尾行する車があることが明らかになりますが、セイはどうせ何も出来ないからと放置します。

 倉庫の中では取引が行われていました。そこに乗り込んで、閃光で目つぶしして銃を突きつけるジョーとメグ。そして、ディスクだけでなく金も持っていこうとするジョー。

 上手く行くかと思いきや。そこに入ってくる黒い車。車内から出てくるのは、人質の恭平。敵は恭平に銃を突きつけますが、ジョーは「撃ってみろよ」と言って敵に銃を突きつけたまま動じません。

 そこに天井を突き破って乱入する謎の戦闘メカ。そこにいる全員に向け無差別に銃を乱射します。

 「あたしから離れるな」とメグに命じるジョー。

 しかし、身体の自由を奪われた恭平に気付くと、それを助けにジョーから離れるメグ。

 銃を一発撃って、恭平の自由を確保してから、「あとは自分で逃げて」と言い残すメグ。

 しかし、そこでメカのアームに捕まれてしまうメグ。

 メグは脱出できません。

 ジャンゴを出してくれ、とジョーは連絡します。すると、どこかの場所で、ロボットが覚醒します。

 戦闘に燃えているジョーの腕に模様が浮かび上がっていました。それを見て、恭平はジョーが新宿で見た女性だと確信します。

感想 §

 書くことが凄くたくさんあります。

 まず、この4月の新番組は数は多いものの、これはというものが無く、とても悶々とする気持ちを持てあましていました。まあ感想を書く時間もないので、良いアニメが少ないと楽であるという逆説もありますが。それでも、これはというアニメが少ないのは寂しいことです。

 そんな中で、とびきり光る宝石を見つけた!と思ったのが、これ「爆裂天使」です。

 まず、集団美少女戦闘アニメといういかにもズッコケる最短コースのような安易すぎるジャンルであるにも関わらず、ここまでしっかりとしたドラマを組み立てられているのは、ある意味で奇跡ですね。この点で、まず新鮮な驚きを感じさせてくれます。

 そして、けして男にとって都合が良くはない媚びない女達。彼女たちは、可愛くないだけでなく、男によって救われることを待ってすら居ません。ある意味で、一般的な美少女アニメの構造から逸脱しているところがあります。もっとストレートに言えば、単純な「萌え」を受け付けるようには作っていないというところでしょうか。

 そして、色気のあるメカのデザインと動きとカメラワーク。3DCGを取り入れたアニメは既にいくつもありますが、これだけ見事に色気を見せてくれるアニメは滅多にありません。もっと極論すれば、アニメの3DCG活用は、スカだらけとすら言えます。そんな中で、単に上手いだけでなく、酔える映像を見せてくれるのは、とても希有なことだと思います。

 メカのデザインに限っても、本当にメカの色気というものが分かっているデザインですね。けして、凡庸なロボットアニメのロボットになってしまってはいません。ロボット以外のメカも、なかなか色気を感じさせて嬉しいではありませんか。

もっと感想行きますよ §

 この程度で語り尽くせませんから、もっと行きます。

 まず、ラップっぽい主題歌がいい。映像もきちんとリズムに乗っているところが良いですね。

 最初のシーンで、足の下のタイヤで高速移動するロボットが描かれていますが、ちゃんとハイウェイの平らな路面を走行していますね。ホバーで荒れ地を高速移動、などというインチキ臭い描写になっていません(これはいろいろな意味で問題がありそう)。これはとても良心的ですね。

 ロボットの形状の複雑さ、明らかにセルアニメでは不可能な複雑さです。しかも、ギミックが動く動く。

 バイトのスクーターが少しずつ壊れていくところも色気がありますね。

 街頭巨大テレビで流れる番組の予告編がちゃんと作ってあったりするのも、実に面白いですね。

 更に、街の看板が内容が動く看板だったりするのも、凝った作りであると同時に、時代の感じを示す演出になっていますね。

 セイの車、高い位置にバックミラーが付いているのがデザイン上の色気ですね。

 巨大トレーラーを見せる最初のシーン。そこでのカメラワークによる大きさの表現がまた色気たっぷり。更に、俯瞰シーンでトレーラーのサイズをきちんとした大きさで描いていることに良心と新鮮さを感じます。巨大ロボットを運搬するトレーラーが登場するアニメはよくありますが、一般道を走れるサイズで、あのロボットを載せるのは無理でしょ?的な破綻したものが多い中、これは良心的ですね。

 更にセイが恭平の目標を語るシーンで一瞬入るトレーラー全景。このシーンのカメラが凄く良いですね。おそらく画角などが調整されていると思います。色気のある全景です。本当にメカの格好良さやボリューム感をきちんと描けていると思います。当たり前のことのように思えるかもしれませんが、必ずしもそうではないのが現実だと思います。

 メグの視点の画面を見て質問するセイ、というシーンも良心的ですね。どこにあるのか良く分からないカメラからの映像を見ているアニメも多い中、あくまで身内が持っているであろう装備に仕込まれたカメラからの映像しか見られず、状況が把握できない描写ですね。

 最後の方で、謎の戦闘メカが左右を見るシーン。この顔がいかにも機械らしくて、しかもスマートで格好良いですね。色気のあるデザインです。こういうデザインが見られると、やはり嬉しくなりますね。

 EDの絵も凝っていますね。多くの絵が並んでいる壁を見せる、という内容は単純に見えますが、アップに耐える画像を多数テクスチャに貼り込んだりすれば、かなり重いレンダリングになることが予想されます。(本当に重いかどうか分かりませんが)

もっともっとキャラについても感想を §

 女性達の名前は、メグ、ジョー、エイミーと来れば当然若草物語を連想させます。しかし、ベスがいません。代わりにセイという女性がいます。ベスという名前はあまり可愛い女の子っぽくないので敬遠されたのかとも思いましたが、何となく、セイを数に入れてはいけないような気もしてきました。シリーズ後半に、4人目の仲間として、ベス(エリザベス)が登場するのかもしれません。

 ジョーは、日常のぼけた印象と、戦闘時の集中力の落差が凄く面白いですね。やるときにはやる、というタイプですね。そして、戦闘時には常人以上の集中をしているのでしょうね。ピンチになっても表情を変えない精神力。そして「撃ってみろよ」の台詞は最高です。

 メグは、普通なら主役になっているタイプだと思います。しかし、主役はあくまでジョーです。若草物語でも、誰がメインかと言えばジョーがメインですから、そのジョーの名を持つジョーが主役に間違いはないでしょう。その結果として、メグは主役にくっついている、きつい女の子、というような位置づけになってきて、美少女アニメの常識が良い意味で裏切られた感じがあります。

 そして、エイミーですが、彼女も奥が深そうですね。何を隠しているか分からない演技派を感じさせます。

今回の一言 §

 以上、これだけ感想を長く書いてみましたが、第2話以降もこんなに嬉しくなってしまうかどうかは分かりません。とはいえ、たとえ第1話だけでも、これだけ感想を書けるアニメがあったことは嬉しいことですね。第2話以降も良ければ、もっと嬉しいことになります。

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