謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!
今日の舞-HiMEの感想。
サブタイトル §
第五話「雨－－。涙……」
あらすじ §
舞衣が弟の治療のためにバイトをしていると知ったクラスメート達は舞衣に気を使います。
舞衣は、無理をしていましたが、何事もなかったかのように振る舞います。
しかし、楯の前では溜まったものを爆発させてしまい、泣きます。
一方、バスに取り憑くオーファンが出現していました。
なつきはそれを追っていました。
舞衣は、もう関係はないと思いましたが、放っておけずにバスを追います。(なけなしのお金を使ってまでタクシーに乗って)
しかし、バスの襲撃は防げず、なつきはオーファンを逃がしていました。
その後、姫を学園に集めたという怪しげな者達が事故現場に来て、ダミーの救急車で被害者を運んでいるという話をなつきから聞きます。
感想 §
ついに、舞衣ちゃんの抱える重いものが作品の表面に浮かび上がってきた感じですね。
前回の下着騒動の表面的なドタバタ「のみ」を見て喜んでいた視聴者には、期待されない展開と言えるかもしれません。
しかし、一連のストーリーの流れは、かなり慎重に練り込まれた感じがあります。
今回は、舞衣が楯を相手に感情を爆発させてしまう話と言えますが。舞衣が高い緊張状態にあれば、それはできなかったと思います。明らかに、舞衣の緊張レベルは一時よりもダウンしています。そして、なぜ緊張レベルがダウンしているかと言えば、前回、なつきとの間に信頼関係を確立できたからだと言えます。そして、なぜなつきとの間に信頼関係を築けたのかと言えば、それは前回の下着騒動によってなつきが盛大に自らの隙を見せてしまったからだと言えます。つまり、序盤の緊迫感ある戦闘のドラマから、下着のドタバタを経由して、今回の話に至る流れは、全て1つの必然性を持ってここにあります。この作品は、見た目の安易な派手さ、お色気に騙されそうになりますが、骨格部分が非常に丁寧に作られていますね。
そして、一連の展開はまだ終わりではありません。
舞衣と命の関係に関する話が、まだこれから何かの展開を見せそうな雰囲気があります。具体的には、学食に行かないで舞衣の帰りを待つ腹ぺこな命、なぜか寝るときに舞衣に抱きつく命、そして最後に「やっぱり舞衣は舞衣だ」と意味ありげな台詞を言う命。この台詞は、何かを溜め込んでいた舞衣がいつもの舞衣に戻った、という意味だと解釈することもできますが、それだけではすっきりしません。これらは次の展開への「予感」のようなものでしょう。もちろん、寝るときに舞衣に抱きついているからと言って、安易で勘違いしたレズドラマになるとは思えません。何か、これから語られるべき命のドラマが存在するのでしょう。
それはさておき、舞衣がオーファンを追うシーン、舞衣はバイトを休んでいるわけですね。移動にも自分の財布からお金を出してタクシーに乗ります。バイトで忙しいはずの人が、なぜか「敵」が出現するとやって来て呑気に戦ってくれるアニメもありますが、こういう整合性への気遣いは気持ちよいですね。
今回の名台詞 §
楯「頑張れって言うのも言われるのも無責任だ」
楯君、なかなか良いことを言いますね。
頑張れ、という励ましの言葉はしばしば私も口にしますが、実はとても抵抗感があります。その抵抗感の気分を上手く表現してくれている感じがあります。
