2005年02月11日
トーノZEROアニメ感想舞-HiME total 3655 count

舞衣の前で楯にキスを要求する詩帆ちゃんの顔は、もはや小悪魔!?

Written By: トーノZERO連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!

 今日の舞-HiMEの感想。

サブタイトル §

第19話「こころの迷宮」

あらすじ §

 姫達、そして楯の心は、それを繋ぎ戻そうとする人達の努力も空しく、孤独の中に入り込んでいきます。

 舞衣は、弟から、姉の存在が重いと言われ、全人生を否定されてしまいます。

 そして、本当にお姉ちゃんが欲しいものは何かと言われます。

 詩帆は、舞衣が見ていると知った上で、それに気付いていない楯にキスを要求します。

 舞衣はそれを見てしまいます。

感想 §

 今日は、嫌な風邪を引いて、けっこう苦しみながら寝ています。

 しかし、これを見ている間だけは、その苦しみを忘れられました。

 それだけ豊潤で美味なる希有な作品ということですね。

 でも、これを書くのは、けっこう辛い…… (汗。

 今回の内容を一言で言えば、舞衣という人物にまつわる嘘が決定的に崩壊する話と言えます。

 いつも微笑み、バイトや料理が趣味だという舞衣という人物は、弟のために作り上げられた虚像です。しかし、人間というのは、他人のためなら頑張れるものです。まして、不幸な病を背負った弟の面倒を見ることができるのが自分だけと思えば、その悲劇に陶酔もできるでしょう。そして、弟の手術という希望があれば、たいていの苦難には耐えることができます。希望さえあれば……。

 ところが、今回、弟が表明したことは、彼自身の自立です。もう、舞衣に何もかも依存しないという、特に精神面での表明です。

 その結果として、舞衣は希望を失ったわけです。極度に困難な舞衣の人生は、その希望があればこそ可能であったものです。その代わりとして、弟が提示したものは、舞衣が本当に欲しいものは何かという問いかけです。

 この問いかけは、あまりに遅きに失したと言えます。なぜなら、楯こそが舞衣の求めるものだと気付いたとしても、既に彼は強固な、あるいは意固地な信念によって、詩帆を選んでしまったからです。

 もう1つ、注目点であるのは、舞衣に邪険にされる命の描写です。

 そもそも、舞衣にとっての命とは何か。

 何でも心を割って話せる親友ではないことは確かです。命は、舞衣の抱える複雑な心情に、全く到達できていません。命にとっての舞衣とは、料理を作ってくれ、抱きつくことができるおっぱいを持った母親のような存在……と言って良いかもしれません。一方、舞衣にとっての命とは、弟との同居が不可能になった心の隙間を埋めるために飼われたペットの子猫のようなもの、と見ても良いかもしれません。(まさに猫のように描かれる命の描写の多さを思い起こせ!!)

 それを考えれば、弟が舞衣から離れてしまった状況下で、弟の代用物に過ぎない命を近くに置けないのは当然の成り行きかもしれません。

 しかし!

 そのような図式的な理解は一面的なものに過ぎません。

 命は、命という独立した人格であり、その命と舞衣の関係というものもあります。

 はたして、帰ってこない命の食事を作って待つ舞衣の心情とはいかに?

今回の一言 §

 これだけ心に厳しいシビアな話をやっておきながら、次回予告でそれをネタに笑いが取れるのが凄いですね。

 これを見て、めぞん一刻(原作コミックス)で、とてつもなくシビアな話をやった後、最後にオチが付いて笑って終わることを連想しました。アニメ版では、原作にあるオチを付けないケースが非常に多くあって、これは致命的なミスリードだと思っていました。それとはちょっと状況は違うものの、今回の次回予告は「お、分かってるじゃん」と思いました。いや、勝手に私がそう思っただけですが (汗。