2005年03月27日
トーノZEROアニメ感想レジェンズ ~甦る竜王伝説~ total 16088 count

ついに最終回、火を見たらそこにグリードーがいるかもしれないぞ!!

Written By: トーノZERO連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!

 今日のレジェンズの感想。

サブタイトル §

#50 風と共に去ったとさ

-FORGOTTEN BUT NOT TOTALLY GONE-

あらすじ §

 ランシーンは、自分の身体をジャバウォックに差し出し、ハルカと入れ替わります。

 CEOは、サーガらの力を借りて、ジャバウォックをカムバックしようとします。

 ハルカ、ハルカの母、シュウを連れて、シロンはジャバウォックから脱出します。

 ジャバウォックは宇宙空間で光となります。

 黒水晶とその力は消滅し、シュウのママも解放されます。

 レジェンズ達は、戦いが終わると地球そのものに戻っていき、消滅してしまいます。彼らがいた痕跡や、人の記憶も消えます。

 シロンは、自ら「ねずっちょ」としてシュウのそばにいたいと願い、聞き届けられます。

 ランシーンは、黒い「ねずっちょ」として宇宙を漂っています。

感想 §

 こうして見終わってみると、このドラマが何を語っていたのかが分かりますね。

 サーガとは、レジェンズと協力して戦う存在……というわけではないのです。

 最終的に、シュウ達が成し遂げたことは、レジェンズ達に心を与えたこと。レジェンズらしくなく、しかし人間らしい様々な経験をシュウは彼らに要求したことが、それを成し遂げました。

 であるから、最終的な戦いは、レジェンズ達の戦いであって、サーガは戦場に中心にいても、もはや何ら決定的な役割を持ちません。いかに、シュウがランシーンを扇風機委員に任命しようとも、既に自立した心を持ってしまった彼らは、自らの心のままに行動することになります。

 そして、レジェンズ達が心を持ったということは、同時に、もはやサーガ達と一緒に暮らすことができないことを意味します。

 もう1つ、レジェンズ達が帰る先が地球そのものであるというのも素晴らしいですね。

 風や、火や、土や、水の中に、レジェンズ達はいます。このように思えることの素晴らしさは、特筆に値しますね。これからも、火を見て「あ、グリードー」と思うことがあるかもしれません。

更に感想 §

 OPの歌はなく、アバンタイトルだけ。

 歌の時間をケチる必要があるほど中身が濃いということですね。

 確かに、レジェンズ達との別れのシーンのためには、時間をたっぷり取る必要があるのは良く分かります。

 その代わり、EDは特別な歌が流れ、しかも最後には旧OPの作品タイトルが出るまでを流してくれましたね。あの旧OPは、とてつもなくスタイリッシュで良いものだったと思います。

 タリスポッドを拾うマックのシーンは凄く意外性がありましたね。丸い身体でころころ転がって、移動するという可笑しさ。

 シロンとの別れで、自分の名前を呼ぶことを要求するシュウと、呼んでしまうシロン。その後、実はシュウ自身がシロンを名前で呼んでいなかったことに気付かされます。「ねずっちょ」か「でかっちょ」ですからね。しかも、振り返るともうシロンはいません。とても悲しい別れですね。

 終わりと思ったらオマケのシーン、というのが非常に良いですね。意外性があると同時に、実はランシーンは死んでいなかったことが明らかになります。最終的に、あらゆる悲劇が回避された結末を迎えたことになりますね。

今回の名台詞 §

ランシーン「止まるな!」

 優しいランシーン。彼の本性はそういう優しい存在だったわけですね。

グリードー「火を見たら火の用心だ」

 ここに来て、それかい! 笑いも忘れないグリードー大好きだよ。

シリーズ全般を通しての感想 §

 これで最終回というわけですが。

 シリーズ全般を通して振り返ると、どのように評価して良いのか、非常に微妙ですね。

 全体の構成が本当にこれで良かったのか、本当に最初からこの結末に至る経路を用意した上で作品を作っていたのか、疑問は尽きません。

 ただ、幾多の問題を取り上げることはできるにせよ、それを上回る魅力が作品にあったことは事実です。特に、シュウという主人公の存在は特異かつ秀逸です。明らかに周囲の空気が読めず、身勝手で他人を従わせてしまいます。しかし、実は空気の方が誤りであり、身勝手はあまりに大きすぎる愛が誤って受け止められたものであると気付けば、印象は逆転します。それこそが、地球の運命すらひっくり返してしまいます。

 本来、たった一人の子供が世界を救うなど、子供向け娯楽ドラマの定番はあり得ない話です。

 それにもかかわらず、この作品は全く別の角度から斬り込むことで、それを実現可能なドラマに仕立て直してしまったことになります。

 これは非常に特異かつ秀逸です。

 その点では、非常に良い作品だと思います。

 ビジュアル面でも、よくあるオタク好みのワンパターンでつまらないスタイルを踏襲せず、実に良い味のある映像を見せてくれました。これも特筆したいところですね。

 1つ残念なのは、やはり特異な秀逸さを見せたマシュマロ通信と同じ時間に放送された結果、両者が食い合った面があるのではないかと懸念されることです。その点は残念ですね。