2005年05月04日
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いやこれは凄い映画だ 「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ」

Written By: トーノZERO連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!

 「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ」の感想。

あらすじ §

 カスカベ防衛隊、そして、みさえ、ひろし、ひまわりは、カスカベ座という映画館から、映画の中の世界に入ってしまいます。

 そこは、未完成の西部劇でした。

 映画の中に取り込まれたカスカベの者達は、横暴な知事にこき使われていました。

 しかし、映画を完結させればカスカベに戻れると知り、みなは協力して戦いを挑みます。

 そして、知事が封印していた「おわり」の3文字を解放し、映画を完結させます。

 彼らは元のカスカベ座に戻ることができます。

 しかし、しんちゃんが惚れた女の子、つばきちゃんは、一緒に戻ろうと約束したのに戻っていませんでした。

感想 §

 TV放送したものを録画していましたが、やっと見ました。

 ゴールデンウィーク中に見ることができて良かった良かった。

 しかし、この内容は凄すぎますね。これは参りました。

 まず、あまりに良くできた西部劇らしさ。それと知らずに入り込んだひろしが、酒場に入るシーンは最高ですね。あくまで日本のサラリーマンであるひろしと、あくまで西部劇の悪の手先のチンピラである男の対比のスリリングさ。

 そして、徹底的に積み重ねてきた西部劇的なリアリティをぶっ飛ばすような、変身するカスカベ防衛隊のはじけぶり。子供5人が彼らを救う切り札となる意外性。しかも、知事も巨大ロボットを繰り出してくる可笑しさ。それでいて、知事のロボットの武器は、いかにも西部劇的な装備であったりするこだわり。

 何より凄いのは、カスカベ防衛隊が変身し、知事がロボットに乗って出てきても、あくまで蒸気機関車は蒸気機関車のまま疾走していることです。これによって、話が空虚な絵空事に発散していくことが抑えられています。

 更に隠された秘密の内容が、あまりにも分かりやすいこと。途中には、子供が見ても分からないだろう、という描写は多数あります。しかし、最初と最後は、子供が見ても分かりやすい内容で固められた結果として、さほど悪い後味は残さないのではないかと推測します。

 最後に、何と言っても泣ける失恋ラブストーリーであるというのが、最高に素晴らしいではありませんか。どうやら、つばきちゃんは、本来映画の登場人物であったはずが、カスカベの記憶がないことを「忘れたからだ」と誤認していたようです。だから、しんちゃんと一緒にカスカベに戻るという約束をしてしまいます。そう、しんちゃんは確かにつばきちゃんと約束したのです。しかし、その約束は果たされません。誰が悪いわけでもありませんが、しんちゃんはカスカベでつばきちゃんと再会できません。実に悲しい結末ではありますが、まさに人生を噛み締める良い結末ですね。