2005年05月04日
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みんながコレで燃えた!NEC8ビットパソコン PC-8001・PC-6001 アスキー書籍編集部

Written By: 川俣 晶連絡先

 全ての記事に目を通したわけではありませんが、おそらくは、それを行う必要はないし、それを行うこともないでしょう。

 それでも問題はなく、十分すぎるものを、この本から受け取った気がします。

 ですので、今ここで感想を書いておきます。

ソ連コンピュータ見本市 §

 いちばん面白かったのは、年刊Ah!SKI 2005のソ連コンピュータ見本市の記事です。

 何せ、ソ連ですよ!

 ぶっちゃけ、今時ソ連はあり得ません。(ロシアじゃないんだし)

 見どころは2つ。

 1つは、携帯用原子炉を背負ったコンパニオンのお姉さんの可愛さ。原子炉の怖さが可愛さを引き立てますね。

 もう1つは、さりげなく書かれた「60年代に国防システムを自動化したガーディアン」という記述です。

 これはですね、おそらくこれを読んでいる大多数の人が分からないのではないかと懸念しますが、COLOSSUS: THE FORBIN PROJECT (邦題: 地球爆破作戦)という映画に登場するコンピュータのことを言っているのだと推測します。

 ということで調べてみましたが、あまり情報は出てきません。DVDは出ていませんが、Colossus: Forbin Project / MovieというVHSのビデオが海外で出ているようです。(アマゾンに情報あり、ページ下部参照)

 意外なことに、このマイナーな映画の洋物VHS商品には3件のレビューが付いていて、いずれも最高の5つ星。評価は高いようですね。私も面白かったと思います。

 このレビューの中に、「1981年に没したD.F.Jones の同名SF小説(1966)の映画化(1970)」とありますが、原作小説があったようです。この本の記事は60年代と言い切っているので、1970年の映画ではなく1966年の原作小説の方を参照している可能性も高そうですね。

 ちなみに、そのあと、レビューでは「日本では、TVにて1度放映されたのみ」とあったのは、とても意外でした。この記述が正しければ、おそらくはその1回限りのTV放映を私が見ていて、その記憶によってこれを書いていることになります。この何でも手に入る時代にまさか、と思われるかも知れませんが、滅多に見られないレアな映画というものは実在します。(緯度0大作戦なども、それにあたるかもしれません)

いちばん煽った紹介記事がない! §

 PC-8001のLOAD TESTが掲載されているのは思い出深いですね。

 でも、これなど些細な一部に過ぎません。月刊ASCIIでPC-8001の魅力を煽ったのは、これより前の記事だったような気がします。

 実は、そちらの方が重要ではなかったか、という気がしますが、既に遠い過去のことなので何とも言えません。

ゲームはやるべきじゃない §

 付属のゲームは、少しだけ試しましたが、後悔しました。

 ゲームはやるべきではないと思います。

 美化された過去の幻影が壊れます。

 たとえば、オリオンというのは、あの当時の夢の1つを体現したゲームですが、実際にやる「なんじゃこりゃ! 遊べねぇ!!」と思ってしまいます。

 しかし、それで思い出しました。

 あの当時、パソコンショップの店頭で触れたオリオンも、「なんじゃこりゃ! 遊べねぇ!!」と思ったものでした (汗。

でも意義はある §

 しかし、こんなゲームが収録されていることにも意義があると感じました。

 要するに、これでも良いわけです。

 好き勝手に、実効性の乏しいことや、他人に意義が見出しにくいことをやっても良いわけです。

 世の中とはそういうものだ、という気持ちを得ることができたのは、この本を買った収穫だと思います。

真に価値ある財産はこれだ! §

 PC-8001の設計図が収録されています。

 誌面には一部しか載っていませんが、CD-ROMには全てがあります。

 一部がぼやけて見難いのは困ったものですが、それでも全てあります。

 時間があれば、この回路図の内容を解説するというのも悪くないと思いました。いや、当時は真剣に読んだので、解説できます。ジャンパ6本、パターンカット無しという簡単な改造でカセットインターフェースの倍速化ができる理由も、全て説明できます。(ちなみに、数十バイトの追加ソフトは必要ですが、それでcload/csaveが倍速1200bpsになります)

 ついでに、ドキュメント化されていないカセットインターフェースの300bpsサポートの事実もね。

 それにしても、市販の商用パソコンで回路図が公開される例は多くはないので、この回路図一式は大変に貴重なものだと思います。

 念のために言えば、この回路図に含まれる部品で、特殊なものはCRTCのμPD3301だけで、残りはよくあるパーツばかりです。当時のTTL規格票やi8080Aファミリーのデータシート(8251や8257など)などがあれば、回路図を読むのに苦労はないはずです。おっと、あとはもちろんZ-80あるいはμPD780の資料ね。

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