謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!
この文章は、いつもの感想とは違うフォーマットで好き勝手なことを書かせてもらうぜ、Ya-Ha!
サブタイトル §
第11話 夕陽の誓い
何を書きたいのかと言えば §
今回の最大の見せ場とも言える進清十郎と瀬那によるひったくり強盗の追跡のことを書く気は全くなかったりします。
そうではなく、アイシールド21に変装した蛭魔による葉柱への挑発。そして、瀬那による葉柱への戦う覚悟と意思を見せるところについて、語っておきたいと思うわけです。
もっと詳しく言えば §
わざわざ葉柱を呼びつけて、アイシールド21の変装で挑発する蛭魔。
雑誌の進の記事を踏みにじる葉柱を見て、表情を変える蛭魔。
そして、他人が戦うと言いつつ、実は自分が戦う覚悟を決めた瀬那を見て、にやりと笑う蛭魔。
そう、語りたいのは蛭魔のことなのです!
蛭魔は演技する §
蛭魔が葉柱を挑発しなければならない理由は横に置きましょう。それはそれで面白い話題ですが。
挑発という目的を達成するために、感情にまかせて突っ走ったのであれば、このような展開にはなり得ません。
効果を最大限に高めるためには、場所を選ぶ必要があるし、変装も必要とされます。それに加えて、おそらくは意識的な演技も行っています。
つまり、この展開は蛭魔による高度に知的なプレイとしか解釈し得ないのです。
そして、このような知性の存在は、何故に栗田良寛のような純粋な善人が蛭魔を全面的に信頼し、コンビを組んでいるかの理由になります。
蛭魔は見ている §
進の記事を踏みにじる葉柱を見て微妙に表情を変える蛭魔。このことは、蛭魔が自己中ではないことを示しています。自分の思い通りに演技するだけで満足するタイプではなく、傲慢に相手を挑発しているように見せかけつつ、相手のリアクションを全てきちんと見ています。
つまりは、自分が全てを支配しているという誤った全能感に、蛭魔は無縁の存在であることを示します。他人とは常に未知なるものであり、支配のためには深慮遠謀を必要とすることを知っています。
だからこそ、相手を見ることが必要とされます。
蛭魔は深慮遠謀に長ける §
そして、その気になる瀬那を見てにやりと笑う蛭魔。
どこまで具体的に計画したのかは分かりませんが、蛭魔は瀬那をその気にさせたかったことだけは間違いありません。
つまり、蛭魔に脅されて戦うのではなく、自ら引くに引けない理由を抱え、敵に立ち向かっていく立場に瀬那を立たせたかったのでしょう。
それができてこそ、(おそらく)蛭魔は自らが望むアメフトの試合を実現できるのです。
しかし蛭魔は悪党ではない §
蛭魔は自分の支配欲のために、瀬那を間接的にコントロールしようとしている訳ではありません。
蛭魔が目指すものとは、一人ではできないもっと大きな何かをチームによってつかみ取ることです。
それに参加する個々のメンバーは、けして一人では体験できない素晴らしい経験を得ることができます。
そのことを、おそらくは個々のメンバーはまだ明確に自覚していないと思います。しかし、蛭魔はある程度のところまで、それを自覚しつつ行動しているように思います。
つまり、蛭魔とは他人を利用する悪党などではなく、むしろ仲間に素晴らしい体験を与える存在であると見ることができます。
(もっとも、仲間以外には、ただひたすらに恐い存在にしかならない可能性はありますが……)
だからこそ、蛭魔という人物の器はとても大きいと思います。
というわけで §
蛭魔というのは最高のヒーローだと思います。
いや本当に。
こんなに凄いヒーローはなかなか得難いと思います。
