謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!
今日のBLOOD+の感想。
サブタイトル §
第2話「魔法の言葉」
あらすじ §
小夜は刀を取ってマウスを一刀両断します。
その現場にカイが駆けつけ、小夜は自分の血まみれの姿に悲鳴を上げます。
現場に米軍がやって来ます。
ハジは、小夜とカイを連れて学校出ます。
小夜は病院に担ぎ込まれます。
しかし、そこでジョージとデヴィッドとの会話を聞き、自分が兵器であることを知ってしまいます。
小夜は病院を抜け出します。
そこにハジが来て事情を話そうとしますが、カイもやってきます。小夜がカイをかばったことから、ハジは姿を消します。
小夜は家に戻りますが、新たな怪物が動き出していました。
感想 §
第1話から、特に注目していました。
しかし、第2話を見て、これは感想を書いておかねばならないな、と思いました。
どこでそれを感じたのか。
それは、小夜がマウスの身体を横になぎ払って一刀両断したシーンで、斬られた下半分の身体から血が吹き上がったからです。もちろん、本当に血が吹き上がるものかは知りませんが、斬っても血が出ない。出ても嘘くさいイメージ風のエフェクトに過ぎない。更には返り血も浴びないというようなアニメが多い中、この描写は非常に鮮烈で誠実だと思いました。
このような誠実さ、つまりある行為が引き起こすであろう副作用も丁寧に描き込む態度は、この作品の特筆すべき美徳です。
それだけでも、この作品は特別です。
キャラクターを見ても、小夜には主人公としての魅力があるだけでなく、カイという実に魅力ある男の子も登場しているところが素晴らしいですね。
更に彼は、普通の男性視聴者がこの作品世界に感情移入する切り口でもあります。何も知らないが、必死に小夜を守ろうとする男の子は、視聴者と同じ目線に立ったキャラクターです。ヒーローやヒロインにあっさりと感情移入できてしまう便利なお子様達はともかくとして、広範囲の支持を得るためには、このようなキャラの存在が不可欠でしょう。それだけでも、非常にまっとうかつ誠実な構成だと思います。
今回の一言 §
この作品には世界観があります。
10月の新番組を、(一応既に無意味化された)守備範囲(地上波VHF)の分をまだ全て見ていない中で語ってしまうのは無理がありますが。
過半数のアニメは論評の水準にも達しないという結論になっています。
その中で、少数ながら、傑出した作品を見て取ることができます。
それらは、単に傑出しているというだけでなく、型にはまることを拒絶し、愚劣なる「萌え」「やおい」といった価値観を抜け出しています。
そのような作品の条件を強引に要約してしまうなら、まともに構築された世界観を持っていること、と言うことができます。どこかで見たイメージを切り貼りしても、それは世界観モドキでしかありません。また、いくら言葉で理屈を積み重ねて世界観を理論武装しても、アニメの絵を見て分からない世界観は、それだけで欠陥品です。
この作品には、まさにそのような意味で、最低水準をクリアしているどころか、非常に高いレベルで優れた世界観を示している良い作品だと感じます。
(ちなみに、既に見た新番組で今のところBOOLD+の他に世界観を納得したのは舞-乙HiME, IGPX, アカギだけ。とはいえ、おそらく原作コミックスがしっかりできているアカギをカウントするのは、ちょっとフェアではないかも……)