とっくに読み終わっていましたが、身体はヘロヘロだし、感想を書いていませんでした。
さて、内容ですが。
やっと外に出たカイジ君が金を稼ぐ手段を探していると、非合法のパチンコと、それを使って大金をせしめようとしているオヤジに出会います。そして、インサイダー情報まで使ってシステムの裏をかくと思いきや、実は店側に踊らされていただけ、ということが明らかになり、オヤジが大負けするところで終わります。
ここで面白いのが、人生に敗北し、ギャンブルで起死回生しようとするオヤジです。明らかにどこかが壊れています。どれほどの大金をせしめようとも、それで妻や子が戻ってくることはないでしょうが、それでも夢を見ています。しかし、それしか方法がないと思い込んだオヤジの鬼気迫るギャンブルぶりは、そういった理屈を超越した力を生んでいるように思われます。それは、周到な店側の準備ですら対処できない奇策すら生み出します。
しかし、最後は負けるわけです。自分の人生をギャンブルに委ねるというのは、最初から間違っていますから、負けるのは当然の成り行きです。
その負けざま、負けた後を丁寧に描いているところが、この作品の良いところだと思います。