これまでずっと見落としていましたが、実は通院している東京医科大学付属病院の近くには、東洋大学があります。南北線東大前で降りてばかりいたし、入院時には東大の施設らしき建物が窓から見えていたので、ずっと東大ばかり意識して見落としていました。
そして、東洋大学の創始者である井上円了は、ゆかりのある哲学同公園に行ったり、山崎記念中野区立歴史民俗資料館・企画展「井上円了の民具コレクション 妖怪学の源流をたずねて」というものに行ったり、個人的に縁のある人物です。
ふとした切っ掛けで、ここの東洋大学のキャンパスに、東洋大学井上円了記念博物館という施設があることを知りました。
そこで、通院の帰りに散歩がてら立ち寄ってみました。
距離は白山の駅から本当に近いものです。
門を入って音を立てて水が流れる階段を上がっていくと、目の前の建物の1階がそれでした。
(いや本当に、この水音が綺麗なのです)
常設展「東洋大学創立者 井上円了の世界 ~妖怪博士と教育事業~」 §
というわけで、常設展を見てきました。
こぢんまりとしていますが、割とムードの良い展示でした。ちょっと大学の宣伝臭い部分もありましたが、まあそれはそれとして。
虚怪、実怪という分類が問題の多いものであると理解していたつもりですが、実は展示を見ているうちに、大衆への学問の啓蒙という部分と対応させると、もっと別の意味があるのではないかという気がしてきました。
つまり、より大きなものへの健全な展望を一般大衆に持たせることによって、社会の住み心地を良くするというような話です。そこから逆算して、虚怪、実怪という分類が何らかの機能性を持つのかもしれない……と思いました。
漠然とした印象なので、あまり明確には示せませんが。
そういう新しいアイデアを抱くことができたので、非常に価値ある訪問だったと思います。(現状、のんきに歴史資料館巡りしている時間的余裕がないので、通院とワンセットで行けたのはまさにラッキー)