2006年04月25日
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感想「伝説を呼ぶブリブリ 3分ポッキリ大進撃」 やられた! これも泣ける良い映画なのかっっ!

Written By: トーノZERO連絡先

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 映画、伝説を呼ぶブリブリ 3分ポッキリ大進撃の感想。

サブタイトル §

クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ 3分ポッキリ大進撃

あらすじ §

WikiPediaの同映画の項目参照。いや最後まであらすじを書いていないので、あまり好ましい参照ではありませんが。

感想 §

 2006年4月1日TV放送の録画を今頃になってやっと見ました。

 途中まで、ものすごく下らない映画だと思って見ていました。

 野原一家の変身願望充足映画……、という感じでしょうか。

 しかし、この安直感は、計算されたミスリードを誘う演出だったというわけですね。

 この印象に違和感を突きつけるのは以下のシーンです。

 怪獣退治に競って出動するひろしとみさえは、ゴミだらけの部屋で、布団から出ようとしません。子供達の世話もしません。

 ヒーロー願望を充足するひろしと、若返り願望を充足するみさえ。

 ここで、願望充足世界は人の心を狂わせています。

 そして、3分間で怪獣を倒せなかった苦戦がもたらす重々しい現実。倒せなければ、現実世界に被害が及ぶことになります。そして、ひろしとみさえは負傷します。

 ここで、一見して安直な願望充足世界に見えていたものは、シビアな戦いの世界に姿を変えます。しかも、野原一家は、この時点で既に他の誰にも交代できない立場に立たされています。

 最終的に、ボロボロになりながらも野原一家は怪獣と戦う道を選びます。しかし、それは世界を救うためではなく、身近な家族の未来のためです。この展開は泣かせますね。空虚な理念ではなく、そこにいる誰かを助けるために戦うというのは、とても好ましい特徴です。

 しかも、最終的にしんのすけが偽しんのすけを助けることによって、けして「家族だから助ける」という小さなドラマにはなりません。ここが最も素晴らしいところですね。

更に感想 §

 それはさておき、実は序盤の「野原家の朝」も面白いと思います。そこで行われる全ての作業をこれでもかというぐらい克明に早回しで見せ、一段落したみさえの動きをスローなテンポで見せてくれます。

 これも素晴らしいと思います。

 もう1つ、みさえの自転車は、乗り終わった後傾いてしまいます。ひろしが帰宅した後、それに気付いて立てるのですが、また傾いてしまいます。この描写も非常に良いと思いました。

今回の一言 §

 そういえば、1~2日前に「嵐を呼ぶジャングル」を深夜に放送して、ちらっとだけ見ました。アクション仮面が闘技場でボコボコにされるあたりです。これは燃える名シーンでしょう。

 アクション仮面とは、あくまで生身の俳優が演じているドラマのキャラクターに過ぎない……という設定で描かれるこの映画は、かなり好きな部類に入ります。

 しかし、3分ポッキリ大進撃もこれに負けないぐらい良いですね。この映画でのアクション仮面とは、ドラマのキャラクターではありません。しかし、アクション仮面が実在の人物であるという解釈で作られた初期のクレしん映画とも違います。回収した怪獣が助けに来た仮の姿……ということですね。だから、等身大ヒーローであるはずのアクション仮面が、巨大な大きさになっています。

 こういう解釈で登場するアクション仮面も面白いと思います。

合掌 §

 もはや聞くことができない、ぶりぶりざえもんの品のある美声。

 あくまで声を出さない存在として作中に登場するというのは、けっこう無理のある展開という感じもありましたが、それだけ愛されたキャラクターということなのでしょう。