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2006年05月14日
トーノZEROゲームプレイ日記ACE COMBAT ZERO THE BELKAN WARtotal 4460 count

『ZEROの明暗』【暗の章】 ZEROはなぜすぐ飽きが来るのか、その根本原因に切り込む!

Written By: トーノZERO連絡先

 PS2が修理中のため、ACE COMBATを含むほとんどのゲームをプレイすることができません。その時間を使って、一応のACE COMBAT ZEROの区切りとして、2つの文章を書くことにしました。区切りと言っても、もはや絶対にZEROで飛ばないという意味ではありません。1つのマイルストーンとしての区切りを書くという意味です。

 さて、実際に書くものは、『ZEROの明暗』と題してみます。これは、ACE COMBAT ZEROのストーリーの持つ時代的な意義と、その秀逸さを称える【明の章】と、飽きが来るのが早いお買い得感の低さの原因を考察する【暗の章】の2つの文書に分かれます。

 まずは、【暗の章】として、この文章を書きます。

 暗い話を先に書くのは、明るい話の余韻を残す方が良いだろう……という考えによります。

ACE COMBAT 2を超えられなかったZERO §

 ACE COMBATシリーズで、最も理想のACE COMBATを体現しているのは、2ではないかと私は思います。

 ACE COMBAT ZEROは、2に近い路線を狙ってきた……という印象があったために、もしかしたら2を超えるACE COMBATの決定版になるかも……という期待感を持っていました。

 しかし、結論としては、「そうではなかった」ということになります。

ZEROの2つの特徴 §

 では、2と比較して、あるいは他のACE COMBATシリーズと比較して、ZEROはどのような特徴を持つと言えるのでしょうか。

 繰り返しZEROの空を飛びながら考えていましたが、以下の2つの項目に集約できるという結論に達しました。

  • 空が狭い
  • 戦闘のバリエーションが少ない

 つまり、圧倒的にハードの性能で劣るPlayStationで実行される2よりも、空が狭いと感じられ、戦闘のバリエーションも少ないと感じられたということです。

『空が狭い』とはどういうことか §

 ACE COMBATの価値は、戦うことにだけあるわけではありません。

 ミッション中に、戦場から戦場に移動する途中の「移動感」も、価値を持っていると言えます。

 たとえば、2のMISSION 25『沿岸レーダー施設破壊』で湾から湾に移動する移動感、3のMISSION 08『匿名のテロリスト』でゆっくり移動する飛行船に付き添って次々出現する障害物を撃破し続ける移動感、04, 5に至っては移動し続ける広さが印象に残るミッションがいくつもあります。

 この移動感は、PlayStation世代からPlayStation2世代になって、格段に改善された特徴と言えます。画面が荒く、遠くまで見通せないPlayStation世代の2や3は、今ひとつ距離感が分かりにくかったと言えますが、それが大幅に改善されたのです。

 ところが、ZEROになって、改善されたはずの広さが感じられなくなりました。むしろ、PlayStation時代ほどの広さも感じられないと言っても良いぐらいです。強いて言えばMISSION 16 「円卓の鬼神」の敵出現までの時間は純粋に移動していることになりますが、高度が高く地上に変化が乏しい上に、地上にもアクセントが少なく、移動感があまり得られません。

 おそらく、広さが感じられず、移動感もあまり感じられないことに関しては、以下のような理由があるのではないかと思います。

  • 敵(特に地上目標)がコンパクトにまとまっているミッションが多い
  • 広大なミッション(MISSION 07 「ハードリアン線攻略」や MISSION 13 「幽栖(ゆうせい)の地」)は特定ポイント取得で強制的にミッションクリア扱いになるので、飛び回らないうちに終わってしまう
  • ミッション開始後、すぐに敵とエンゲージしてしまうミッションが多い
  • 高々度を飛ぶことが多い (飛行高度が高いと、移動しても地上の変化が少ない)
  • 広範囲に敵が分散しているミッションでも、敵集団の間にも敵が配置されていて、移動を実感しにくくなっている (MISSION 07 「ハードリアン線攻略」等)
  • 地上に変化が少ないミッションが多く、移動したという実感が得にくい (地上の作り込みも甘い)
  • 地上が美しくないミッションが多く、見ていて楽しくない (サンド島とB7Rのビジュアルを比較してみよ。あまりの見栄えの差に泣けてくるぞ!)

『戦闘のバリエーションが少ない』とはどういうことか §

 ZEROのテーマは「敵エース隊」です。

 様々な個性を持った敵エース戦闘機隊と対決することになります。

 これは、戦闘のバリエーションが増えるようでいて、実はバリエーションを減らす効能を持ちます。

 ACE COMBATシリーズの「敵」は本来極めて多様です。戦闘機だけでなく、爆撃機、攻撃機、ヘリ、巡航ミサイル、戦車、対空車両、地上施設、要塞、艦船、等々……。

 実は、テーマを「敵エース隊」に絞ることにより、これらのバリエーションが極めて制限されてきます。つまり、戦闘機以外との対決を見せ場に設定することができなくなってしまうわけです。

 そのことは、5のアークバードと、ZEROのXB-0の差を見れば歴然でしょう。5のMISSION 24『白い鳥II』で倒すべき主役は巨人機アークバードそのもので、エンジン、レーザー、対空兵器などを順次破壊しつつ、徐々に攻撃力を奪い、最後には墜落させます。レーザーやUAVの攻撃を回避しつつこれを達成するためには、このミッション専用の攻略手順を確立しなければなりません。

 一方、ZEROのMISSION 15 「くろがねの巨鳥」の主役は2機の戦闘機からなるESPADA隊との空戦であり、巨大航空機XB-0そのものは、落とすために手数が多く必要とされるだけで、さほどしぶとい敵ではありません。結局、ESPADA隊は凄い敵戦闘機ではあるものの、他にも多くの凄い敵戦闘機が多数出てくるZEROの中では特別な存在とは言えません。ESPADA隊を攻略するために特別な戦い方を練り上げる必要もありません。XB-0も、レーザーやUAVのような特殊な敵が存在せず、特にXB-0攻略のための特別なテクニックを要しません。

 これが、ZEROは戦闘のバリエーションが少ないという実例です。

 しかし、話はまだ終わりません。

 『戦闘のバリエーションが少ない』についての話は更に進みます。

戦い方のバリエーションを制限するZEROのミッション §

 ZEROのミッションは、戦い方の多様性を制限する傾向を持つものが多いと感じます。

 たとえば私の場合、5のMISSION 22『封印』であれば、全ての地上の敵とできるだけ多くの空の敵を撃破する……というプレイ方法を好んでよく行います。しかし、ZEROのMISSION 13 「幽栖(ゆうせい)の地」は、同じ場所を舞台にしているにもかかわらず、同じプレイ方法では楽しめません。スコアが一定を超えると、強制的にミッションクリア扱いになってしまうからです。5では、時間重視で素早くプレイすることも、スコア重視でじっくりプレイすることもできました。しかし、ZEROではスコアが意味を持たないために時間重視のプレイスタイルしかあり得ません。

 更に問題なのは、ZEROでは時間によってRANKが決まるミッションが多いことです。スコアでRANKが決まるミッションであれば、最上RANKを得るためのスコアを得られたら、そこですぐにミッションを終わらせるのも、終わらせずに粘って全撃破を狙うのも、プレイヤーの自由です。しかし、時間制のミッションでは、じっくり粘って全撃破を狙うということが、RANKを下げてしまいます。もし、RANKを下げたくないと思うなら、「じっくり全撃破」というプレイスタイルは否定されてしまいます(「素早く全撃破」はあり得ても)。

ミッションのバリエーションが少なすぎ、かつ、無駄に数が多すぎる §

 ZEROのミッションはバリエーションが少なすぎると言えます。

 ほとんどのミッションは、単純な空戦と対地攻撃で構成されていると言えます。

 たとえば、04のMission 13 『偵察機の帰還』や、5のMISSION 11B『代償の街』のような機銃による空中射撃が必須のものとして要求されるミッションもないし、5のMISSION 23『ラーズグリーズの亡霊』のような渓谷内限定の空戦もありません。

 たとえば、5のMISSION 13『ラーズグリーズの悪魔』は、迅速に進めないとミッションが失敗してしまうが、迅速に進めすぎるとRANK Sを取れないというジレンマがあったり、MISSION UPDATE前に何隻ピケット潜水艦を沈められるかという挑戦があったりします。しかし、ZEROには、そのような深みのあるミッションはあまり見られません。

 それにも関わらず、ミッション数は無駄に多いと言えます。ほとんど同じミッションがMERCENARY, SOLDIER, KNIGHTと3種類あって、全て飛ばないと勲章がもらえない……というシステムは、同番号のミッションを連続して飛ばない……といった工夫をしないとだれます。

 ちなみに2, 3, 5でもミッション内容で異なるミッションをプレイできるケースがありますが、その場合は全く別内容のミッションを飛ぶことになって、だれることはありません。

敵エース隊はネタが割れると面白みが激減する §

 フレアでミサイルをかわすとか、後ろ向きに撃ってくるとか、ステルス機でこっそり忍び寄るとか、そういうネタは最初のうちは面白いのですが、それが当たり前になると陳腐に感じられるようになります。

 そうなると、敵エース隊との空戦で残る緊張感は、圧倒的多数の敵に囲まれる状況や、敵エース隊以外の緑の敵機からも狙われるという状況によってもたらされるもので、多対少数の雑魚戦と質的に近いものにしかなりません。

 それは、どちらかといえば、面倒くさい……という印象になります。

機体のバリエーションが活かせない §

 5では、様々な機体を乗り比べるという楽しみがありましたが、ZEROでは機体の性能差が大きいため、それはやりにくい感があります。序盤の機体は、終盤で乗るには性能面できつすぎます。もちろん、F-5EでRANK Sクリアしつつキャンペーンをクリアした実績から言えば、どの機体でもキャンペーンをクリアできる可能性はあるでしょう。しかし、5と比較するとかなりマゾ的な極限プレイになるのではないかと予測します。とりあえず、パワー不足を補うために常にA/B全開飛行する関係上、指が極度に痛くなります。

 また、敵エース隊との空戦が主テーマである関係上、ATTACKERの使い所があまりありません。また、海が出てくる場面が少なく、長距離対艦ミサイル(LASM)装備機も、宝の持ち腐れという感じが残ります。

極私的な結論 §

 約1年半飛び続けた5と、約一ヶ月半で一段落してしまったZEROの間の決定的な差は何かといえば、極私的な「私の結論」としては、「ただ単に飛ぶことが楽しいか否か」だと感じます。

 つまり、5はただ単に飛んでいることが楽しいために、ミッションをクリアできずに何回も繰り返す状況でも全くだれることはなかったのに対して、ZEROはそうでは無かったということです。

 「空が狭い」というのは、なぜ「単に飛ぶことが楽しくないのか」という疑問に対する私なりの答えです。皮肉なことに、「空が狭い」とは、ZEROのゲーム内の台詞でもあります。

 一方、もう1つの特徴である『戦闘のバリエーションが少ない』は、論理的な分析から導き出されたものです。自分がやりたいことと、システムが要求することの差を突き詰めた結果がこれです。結果として、ZEROのシステムはプレイヤー固有のスタイルを受け入れる許容範囲が狭いということが分かってきました。

 この2つの特徴は、いずれも、「賞味期限切れが早い」という特徴を導き出します。システムによって可能なプレイのバリエーションが限られるということは、やれることが少ないことを意味します。そして、「単に飛ぶことが楽しい」という特徴を持たないことにより、無目的な飛行を続ける可能性を奪い去ります。

感想 §

 2は全面肯定します。

 3もあえて全面肯定します。

 04は、不幸をひけらかす黄色小隊のドラマを描くムービーをオフにするなら肯定します。

 5はいかにバグが多くとも全面肯定します。(アーケードモードは別として)

 しかし、ZEROは全面肯定できませんでした。

 残念……。

しかしZEROにも突き抜けた良いところが…… §

 そう、ZEROにも突き抜けた良いところがあるのです。

 全面肯定できないとは、全面否定ではないのです。

 むしろ、部分肯定と見るべきものです。

 ZEROの良いところも思いっきり語らねばバランスが取れません。

 この話題は『ZEROの明暗』【明の章】に続きます。

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2006年05月28日[ゲーム]「ACE COMBAT ZERO」をやり込もうという気分が出ないのはナゼ?From: 情報酒場・裏

「ACE COMBAT ZERO」難易度ACEとおまけ以外一通り終わり 隠し機体のファルケンやモルガンを扱えるようになったのだけど なぜか更にやり込もうという気分が出ない。 TLSやスプレッドボムを撃ってみてうへーこうなるんだホホー。で終わっちゃっているオレガイル。 のっけから 続きを読む

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