全般的に凄く面白いと思いました。
以下は個々の作品の感想です。ただし、「全ての」作品を網羅している訳ではありません。
田中芳樹×道原かつみ 『銀河英雄伝説』ピンナップ §
うーん、本当に「今はいつ!?」と思ってしまう題材です。
京極夏彦×樋口彰彦 『ルー = ガルー』 §
実は不条理日記2006の方が京極ファンには楽しいかも。
何せ、魍魎弁当の箱の中に女の子が入っているわけですから。しかし、知らない人には意味不明の濃いネタを平然とやるというか、読書量が多いというか。さすが、吾妻ひでお。
小石川ふに 『ゆるユルにゃー!!』 §
うーん、なんか良かった。
これは良い感じだよね。
ふくやまけいこ 『ひなぎく純真女学園』 §
一言で言えば、最近流行のレズ漫画?
似たような漫画は既に掃いて捨てるほどありそうな気がしますが、きちんと読めたのはやはり、ふくやまけいこはひと味違うということ?
吾妻ひでお 『不条理日記2006』 §
やはり吾妻ひでおは凄い。
こんなシュールな作品、なかなか読めるものではありません。
特に、自分が夜店で串刺しにされ売られる……というコマが凄いですね。
吾妻ひでお 『失踪入門』 §
香山リカの弟と対談しています。
しかし、例によって香山リカの弟が喋る喋る。それがあまりに面白い。
伊藤伸平 『子はカスガイの甘納豆』 §
仕事がない……、金が振り込まれない……という苦境ぶりが良く分かります。
最初のページの歌の続きの歌詞はこんなところですね?
シ~ゴトがないっ
シ~ゴトがないっ
現実なのさ~♪
出渕裕の酔いどれ人生相談 §
思わず相談を応募したくなりました。
山田正紀の映画狩り §
うーん、こんなところで、山田正紀が細田守監督の「時をかける少女」を厳しく論評する文章に出会えるとは。しかも、なかなか良いところを鋭く斬っている感じ?
梶尾真治×鶴田謙二 『おもいでエマノン』 §
うわ~。エマノンですよ。
懐かしいなぁ。
かつて梶尾真治とは、大切にしまっておく宝箱のようなSF作家だったし、エマノンはけっこう気に入った記憶があるので、2006年の今になってコミックになるのはちょっとドキドキ。とはいえ、第1回を見る限り内容は悪くないです。というより、なかなか良いというべき?
松本規之 『陽だまり少女紀行』 §
1980年代にタイムスリップしたようなムードから突然今時っぽい世界に引き戻される感じ? ビジュアルの雰囲気がパソコンでフルカラーの絵を描くようになった後のムードで、スクール水着を強く出してくるところも今時っぽい感じ。
しかし、悪くないです
安彦良和 『麗島夢譚』 §
えー、安彦良和なの!?
という不安がありましたが、見てみると題材が面白すぎ。
倭寇側の視点で南蛮船を襲う話なんて、面白いじゃないですか。
大塚英志×騎崎サブゼロ 『三つ目の夢二』 §
竹久夢二を主人公に描くとは。しかも浅草十二階に、写真撮影されて魂を抜かれた人形少女。ネタが面白いですね。
安永航一郎 『リトルモーニング』 §
凄いネタという訳ではありませんが、壊れっぷりに安心して身体を委ねられる感じ?
何かこう、ホッとするところがありますね。
石坂ケンタ 『その未来は今』 §
しょうもないお笑いのようでいて、現代風刺になっているところが良いですね。
五十嵐浩一 『REVIVE!(リヴァイヴ!)』 §
参った!
40歳の出戻りオタク(メイド喫茶でバイトする美少女の娘あり)などという主人公でコミックが成立してしまうとは。
1980年代には、たぶんあり得ない話です。
今だからこそ成立する話でしょう。
初期のコアおたく層が平然と40歳を超え、大きな子供がいることも珍しくない時代だから成立するのでしょう。
そういうコミックが読めたというのが、この雑誌を買った最大の収穫だったかもしれません。
アサミ・マート 『木造迷宮』 §
メイド漫画でなく、女中さん漫画なんですね。
あえて女中さんで攻めるあたり、「この人は分かってるな」と思います。
ひらりん 『のろい屋しまい』 §
いい味がありますね。
押井守 女立喰師列伝 ケツネコロッケのお銀 パレスチナ死闘篇 §
別途書きました。
コミック リュウ創刊号付録『女立喰師列伝 ケツネコロッケのお銀 パレスチナ死闘篇』を鑑賞する参照。