魔法少女リリカルなのはA’sというアニメのことは全く知りません。
ただ、ACE COMBAT ZEROと合成したMADムービーが存在することを知り、見てみたら出来が良かったので紹介します。
ACE COMBAT ZERO (Nanoha A's opening MAD) §
魔法少女リリカルなのはA’sの主題歌にACE COMBAT ZEROの編集映像が付いています。
これの何が凄いのかと言えば、ゲームに含まれるムービーには存在しないカットがいくつも見られることです。たぶん、ゲーム中で必要なシーンを自分で演じてリプレイを録画したのでしょう。ハンガーのシーンなども編集的に凝っているし、なかなかの力の入りようです。
が、しかし、それだけで納得している場合ではなかったのである!
何と、絵と音が逆のパターンもあったのです。
Nanoha A's COMBAT ZERO §
こちらは、ACE COMBAT ZEROの音声に、魔法少女リリカルなのはの編集映像が付いています。
これも非常に良くできています。よく、ACE COMBAT ZEROの個々のカットのムードに合わせた映像を集めています。
特に凝っているのがタイトルで、ACE COMBAT ZERO THE BELKAN WARではなく、A's COMBAT ZERO THE BELKAN KNIGHTS WARになっています。ACE→A'sの読み替えはナイスですね。
ちなみに、ここで使われているACE COMBAT ZEROの音声は、ゲームのオープニングではなく、その前に公開された版のムービーのものです。これは、ACE COMBAT ZERO購入特典のPROJECT ACES TRAILER COLLECTIONに収録された#13 2nd TRAILERに相当します。
ちなみに、1つだけ補足説明することがあります。
私は個人的に、歌詞や台詞を勝手に変更し、それを字幕で付けるやり方はあまり評価しません。耳から入ってくる言葉と視覚で提示する言葉が食い違うのは、やはり作品に対する突っ込み不足という感じを受けます。全く無関係の音と映像を掛け合わせているのにマッチしてしまう……というのがMAD映像の目指すべき理想郷であり、事実としてその境地に達した優れた作品群が存在する以上、それは目指しうるのです。
という話を前提にした時、このMADムービーは台詞と字幕が一致しないという問題に直面するわけです。
しかし、このMADムービーは肯定します。なぜなら、ACE COMBAT ZEROにおいて、たいていの日本人は英語音声を「台詞」としては認識していないからです。それはムードを盛り上げる音であり、意味は字幕から読み取っているだろうと思います。
であるならば、音声と字幕が食い違っていることは明示的には意識されないことになり、何ら違和感はないことになるのです。
それに加え、翻訳字幕をあえて違う中身に入れ替えるのは、それ自体が別途単体で成立する「芸」です。