2006年10月11日
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あたかも丸天井に投影されたかのように歪んで見える大胆お月様!?

Written By: トーノZERO連絡先

名シーン(画像公開ポリシー)

この月を見よ。夜空の月はどの方向から見上げても円に見える。しかし、この月はあたかも丸天井に投影された映像のように、歪んで描かれている。その歪みは、エヴァの封じられた学園の矮小さを表現しているのか。それとも……。

 トーノZERO, THE BELKANアニメ感想家(笑)のアニメ感想を参ります。

 今日のネギま!?の感想。

サブタイトル §

第2話 「うっそ、仮契約ってそんなことすんの!?」by明日菜

あらすじ §

 ネギは謎のヴァンパイアを撃退します。

 ネギが魔法を使うところを、明日菜に見られます。

 ネギは魔法で明日菜の記憶を消そうとしますが、なぜか消すことができません。

 そのヴァンパイアはネギのクラスのエヴァンジェリンで、彼女と一緒にいる茶々丸はロボットであることが明らかになります。

 エヴァは、永遠に子供の姿で生きる呪いを与えられた少女であり、ネギの父によってこの学園から出られないよう封印された存在でした。永遠に中学生を繰り返す存在です。

 エヴァは、自分を封印した人物の子供の血を飲んで呪縛から解き放たれることを望みます。

 エヴァは再びネギを襲おうとします。

感想 §

 いや~、これは凄い。

 最初の一瞬から最後の一瞬まで気が抜けない凄い作品です。

 この作品は、とても手間を掛けて重厚に作られています。

 それにも関わらず、外すところは外し、軽く流すところは軽く流す……ということができています。悪の吸血鬼は電気で痺れ、ネギの頭上にはたらいが落ちてきます。それゆえに、重苦しいという雰囲気はありません。

 だからこそ、シリアスシーンに突入した時の重さと盛り上がりが尚更大きく印象づけられます。

 最後の「次回を待て」へと続くナレーションも名演ですね。凄く盛り上がります。

 バカレンジャーのコーナーも最高ですね。最後まで見せない……というネタを反復しています。しかも、まさか同じことはやるまい……という流れで繰り返される同じネタ。

 いや本当に、これは面白いです。笑いに緊張感もあります。何せこれは、「描かないことによって成立する笑い」という高等技です。

要求 §

 ネギは、明日菜のベッドに入ったという理由により、殴られています。

 しかし、殴るシーンは一切ありません。事情を説明する台詞もありません。

 つまり、前後の描写から、その経緯を理解しろ……と視聴者に要求しているわけです。

 もちろん、この程度の要求は当然の当たり前です。

 それでも、「ほほう、大胆なことを要求する……」と思ってしまうのはなぜでしょう?

凄いOP §

 こ、これは!

 凄すぎます。

 このオープニング(OP)はただ者ではないです。

 音も映像も。

 まず、音の方は、途中まで音楽に登場人物の勝手な叫びが重なっているだけで、全く歌になっていません。(しかし、あえて音楽になっている……とは言おう)

 この大胆さは好ましいムードです。

 映像の方は、ナンバーと学校机という2つの表現の反復によって、非常に面白い画面効果が出ていますね。

 全ての登場人物には常に出席番号のナンバーが付いています。あたかも、ネットワークゲームでキャラクターの頭上に出る名前のように。頭上どころか手の上、空に突き出された足の先にまで出ます。この足の先に番号という絵は、本当にシュールさと美しさと大胆さを兼ね備えた最高の絵ですね。

 しかし、人を番号で示すことは、逆説的に人の個性を強調します。けして、没個性的な部品扱いすることにはつながりません。

 全く異なる人物であることをビジュアルで強調しつつ付けられた番号とは、特定の番号を追求することで、他の誰でもない、特定の一人を追いかけることを可能にするのです。つまり、私とあなたは別の人物であるという「違い」を担保するのが、ここでいう番号の機能です。その機能性のためには、名前ではなく番号である必要性が存在するのです。

 さて、学校机の方は本当にやられましたね。

 3D CGの初期の作品の1つとして、建物間をカメラが飛びつつ町並みを映し、そして、カメラが空高く上がって見下ろすと実は建物がタイトルのロゴを形作っていた……というものがあります。当時としてはかなり大胆で印象的なものでした。しかし、使い古されて新鮮味もなくなった感があります。

 しかし、材料を建物ではなく学校机にしたことで、驚くほど印象に異なる新鮮な映像を作ることができていますね。

 これはもう脱帽です。見事です。

今回の一言 §

名シーン(画像公開ポリシー)

 カモくんの頭上に落ちるたらいの内側に描かれた絵です。

 画質が悪く完全に読み取れませんが、「哀」や「止」という文字が見えるので、原作者の赤松健さんの初期の作品、「A・Iが止まらない!」を「あえてズバリを避けつつ」描いていると見て良さそうですね。

 ちなみに、普通に見ているだけでは気付く可能性は低いですし、更に中身を確認するにはポーズで止める必要があります。

 本編をきちんと作った上で細部にネタを埋め込む遊び心を示すとは、スタッフはただ者ではない……といった感じですね。

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