トーノZEROのアニメ感想です。
今日のポケモンDPの感想。
サブタイトル §
「ラクライ訓練センター!」
あらすじ §
サトシ達は、電気ポケモン専門の訓練センターに行き当たります。
そこで、鳥ポケモン専門のブリーダー、ユースケと訓練中のラクライに出会います。
ラクライを駄目ポケモンと思い込んでいるユースケにタケシはアドバイスし、さりげなく彼を成長させます。
ロケット団のコジローとニャースは訓練の様子に感動し、訓練に協力します。
しかし、ムサシは一人でメカを作り、襲ってきます。
そこでラクライはライボルトに進化し、ムサシを撃退してピカチュウを助けます。
ライボルトは合格となり、発電所に送られていきます。ユースケはそれを見送ります。
感想 §
「マナフィを起点に考える・サトシの真になりたいのはポケモンマスターではなく「父親」だという仮説!!」という文章を書いた後、ふとこの文章で示した「サトシが本当になりたかったのはポケモンマスターではなく父親である」という仮説によって、タケシの不思議な人格も説明できるのではないかと気付きました。そして、ここ数日、たまにポケモンのことを考えるときには、常にタケシを主テーマとして考えていました。
そういう状況で見た今回のエピソードは、実質的にタケシが主役と言っても良い内容でびっくり!
それはさておき。
タケシの本質は何かというと、「育てる者」と「称える者」が表裏一体になった存在ではないかと思いました。
今回の内容でいえば、タケシは明らかにユースケを育てています。しかし、タケシはユースケの上位者として振る舞おうとはしません。知識やヒントを与えるだけで、彼はあくまで「プロのユースケから見れば格下のアマチュア・ブリーダー」としての態度を貫きます。つまり、自分を格下に置くことが相手を称えることにつながるわけです。
ここに「育てる者」と「称える者」が表裏一体になるというタケシの人格が典型的に示されています。
さて、この認識は、以下の疑問に対して答になるかもしれません。
- なぜタケシはサトシの旅にいつまでも付き合うのか (離れても戻ってくる)
- なぜタケシはいつも綺麗なお姉さんと上手く行かないのか
極めて不確実かついい加減に言ってしまうと、タケシが本来称えるべき対象は父親だったのではないか……と考えられます。しかし、ジムリーダーの父親は不在となり、ジムリーダの仕事と、弟や妹を「育てる」仕事が、どちらもタケシに課せられてしまいます。
その結果として、タケシは自分を主役とは認識できない立場に立たされます。タケシにとっての主役とは父親であり、育成されるべき弟や妹であり、そしてポケモン達であったわけです。
しかし、称えるべき父親の不在は、タケシに対して「称えるべき父親を必要としていながら、実の父親を称えられない」というトラウマを与えてしまいます。
そこに登場したのが、「父親の不在という欠落を埋め合わせるために、ポケモンを子に見立てて自分が父親になろうとしている」サトシです。
このように考えると、実はタケシとサトシの出会いは、奇跡的な相性の良さを持っていたと言えます。
タケシは、実の父親以外に称えるべき父親を必要としていましたが、サトシはまさにその条件に当てはまります。
もちろん、サトシはまだ未熟な少年でした。しかし、それは問題ありません。なぜなら、タケシの半分は「育てる者」であるからです。まだ未熟であっても父親になろうとする少年がいれば、それを育てれば良いわけです。むしろ、タケシが持つ「育てる者」という面を満たそうと思うなら、未熟な父親であった方が良いとすら言えます。
つまり、サトシとはタケシが必要とする人物の理想像そのものだったわけです。
さて、次の問題はなぜタケシは綺麗なお姉さんと上手く行かないのか……という問題ですが、ここまで来れば答はすぐです。タケシが担う立場は、実質的に家族における「母親」の役割になります。それは、社会的な役割という観点からは、女の仕事に分類されることになります。
つまり、タケシとは、女の仕事を女よりも上手くやってのけるにも関わらず、女に対して全面的に屈服して称えてしまう存在になるわけです。
このような存在は、女から見れば「嫌な奴」です。口先で女を称えながらも、行動で女の仕事や立場を奪ってしまうわけですから。
更に感想 §
電撃が必ずサトシに落ちるのも面白いですね。いつもピカチュウの電撃を食らっていたサトシなら大丈夫という演出ですね。
それから、コジローの「俺は今猛烈に感動している」「やってやるぜ」はNG騎士ラムネ&40の名台詞ですね。感動のために善行を行ってしまうコジローとニャースも見所です。
2007年8月26日追記 サトチさんよりのメールで指摘されて気付きましたが、「俺は今猛烈に感動している」はおそらく「巨人の星」の名台詞であって、ラムネの有名な台詞は「俺は今猛烈に熱血している」ですね。ちなみに、「やってやるぜ」は超獣機神ダンクーガの名台詞でもあります。
今回の一言 §
「本当のブリーダーなら見送ることが出来る」というタケシの台詞は、実はもっと深い意味があるのかもしれません。
つまり、サトシとタケシの別れの日があるとしたら、タケシは本物のブリーダーとしてサトシの旅立ちを見送らねばならないのです。
もしも、サトシが「自分はポケモンを子とする疑似家族の父親」などではない「一人の人間」だと気付いてしまうなら、サトシはタケシから見た理想のパートナーでは無くなってしまう可能性も考えられます。今のポケモンDPの内容は、そこまで行ってもおかしくないところまで来ているような気がします。
この先の展開が待ち遠しいですね。ワクワクします。