「さて、今回はかっ飛ばして行きますよ!」
「飛ばすというと、戦闘機を飛ばすような感覚でしょうか?」
「いえいえ。ACE COMBAT Xで、毒ガスの中和弾がピパーを無視してスコーンとあらぬ遠くまで飛んでいくような感覚で」
「まるで当てになりませんな。で何の話です?」
「前々から気になってたんですが、シンファクシ級は2隻いたことになってますね?」
「1番艦シンファクシ、2番艦リムファクシで計2隻ですな」
「みんなそれで終わりだと思ってるわけですが、本当にそうなんでしょうか?」
「本を見ても、1番艦、2番艦と書いてあって、3番艦の話はどこにもありませんねぇ。かといって、シンファクシが1番艦とされている以上、その前にもう1隻……とも考えられないし」
「じゃ、説明しましょう。MISSION 07『サンド島防衛戦』でウォードッグはシンファクシを撃沈します。これはOKですね?」
「もちろん。ちゃんと沈むシーンのムービーもありますから」
「その後に、海に沈む破片の中を進む潜水艦のムービーがありますね?」
「確かに。でも、それってリムファクシなのと違うの?」
「いえいえ。リムファクシの最初の実戦参加はMISSION 13『ラーズグリーズの悪魔』という説も根強いのです」
「ええっ。ちょっと待って。じゃあ、あのムービーに出てくる潜水艦は何者なの?」
「もし、リムファクシがサンド島防衛戦に参加していないとすれば、ミステリーですね」
「シンファクシの破片が沈む海にいたということは、サンド島近海にいたはずですよね? でもリムファクシはそこにいなかった? ならいったい何がいたというのです?」
「だから、そこでシンファクシ級が3隻いたという仮説が生まれるわけですよ」
「なるほど! しかしその3隻目は何者です?」
「私の推理によると、シンファクシほど画期的な潜水艦をいきなり建造して成功するのは無理なので、プロトタイプがあったはずです」
「ほほう。プロトタイプ。シンファクシ級0番艦といったところですか?」
「そう。そのように解釈すると、実はシンファクシという名前の謎も解けます」
「名前の謎? なんですか、いったい?」
「新とは既にある何かよりも新しい時に付ける言葉なのに、なぜ1番艦が新ファクシなのか」
「は……?」
「ということは、新より前に、旧があったはずなのです」
「ちょっとまてい。シンファクシはたぶんロシア語だぞ。新とか旧とか日本語でネーミングしてるわけじゃないだろう!」
「ならば、当然1番艦よりも前にもう1隻存在するのは必然なのです」
「おいこら、人の話を聞け!」
「とすれば、その名前も当然予測可能です。新ではなく旧だから、シンファクシ級0番艦、その名はずばり、キュウファクシ!」
「んなわけ、ないだろう (ペシペシ)」
「どうも。失礼しました~ (ちゃんちゃん)」