突然気になって、表題の問い掛けに対して調査。
JIS X 3010:2003 (ISO/IEC 9899:1999)を根拠に説明すると。
- "*"は算術型 (arithmetic type)に対して作用する演算子である
- 算術型は整数型及び浮動小数点型の総称である
- 型char,符号付き整数型,符号無し整数型,及び列挙型を総称して整数型(integer type)と呼ぶ
- 実浮動小数点型及び複素数型を総称して浮動小数点型(floating type)と呼ぶ
- ポインタ型は,被参照型の実体を参照するための値をもつオブジェクトを表す
- 算術型を参照するポインタ型はあり得るが、それは算術型ではなくポインタ型になる
つまり、ポインタ型は乗算の対象になりません。
一方加算の方は以下のような制約を持ちます。
- 加算の場合,両オペランドが算術型をもつか,又は一方のオペランドがオブジェクト型へのポインタで,もう一方のオペランドの型が整数型でなければならない
つまり、この制約の範囲内でのみポインタの加算は可能となります。
つまり、ポインタとポインタの加算はできません。
しかし、減算の場合はポインタとポインタの減算が許されるので、加算と減算は非対称です。乗算と加算が非対称というだけでなく、加算と減算も非対称です。