今日(2008年5月19日)のヤッターマンは、ヤッターペリカン初登場でいろいろ盛り上がったわけですが。
中でも「おおっ」と思ったのは、タイムボカンシリーズなのに時間移動しないと言われたヤッターマンに時間旅行シーンが堂々と入ったことと、その表現がかつてのタイムボカンのような「トコロテンのような」メカがふにゃふにゃする描写そのものだったことです。
特に後者は興味深いです。
詳しいことは知らないので、以下は凄くいい加減なことを書き飛ばすので、信じないように!
ビデオ・アートとナム・ジュン・パイク §
1960年代ぐらいから、アートの世界でビデオ・アートというテレビを使ったジャンルが出現します。(WikiPediaのビデオ・アート)
この分野のパイオニアとして有名なアーティストは、ナムジュン・パイクでしょう。(WikiPediaのナムジュン・パイク)
ビデオ・アートでは、たとえばブラウン管に磁石を近づけて、表示されている映像を歪めるようなテクニックが使用されます。つまり、できるだけ忠実に再現しようとする本来の機能性を、外部から強制的に歪めて新しい表現を作り出します。
タイムボカンの時間移動描写 §
タイムボカンシリーズ第1作のタイムボカンの時間移動で使用された、メカがふにゃふにゃする描写は、おそらくこのようなビデオ・アートの映像テクニックを使ったものだろうと思います。具体的には分かりませんが、メカの画像を表示されたブラウン管の映像を歪ませて、再度それを撮影するような方法だったのかもしれません。少なくとも、普通のアニメでは使用しない、斬新な表現テクニックと位置づけて良いような気がします。
デジタル時代の描写として §
しかし、このテクニックはおそらくブラウン管に固有のものであり、しかも自由度の低いものです。今時のデジタル技術を使えば、もっと幅広く特異な映像効果を、いくらでも作ることができるはずです。
だから、コンピュータを用いた特殊効果としての映像は様々であり、それこそアーティストのセンスと創造力の限界を試されるような「戦場」であると言っても良いと思います。
であるにも関わらず、ヤッターマンのスタッフは、おそらくはもっと自由度が高いはずのコンピュータを用いて、あの懐かしい「ふにゃふにゃ時間移動」を再現したのだろうと思います。
そのことが、なぜかとても嬉しかったのだよ!
それだけ。単にそれだけの話です。
余談 §
ちなみに、リメイク版のヤッターマン、好きだぞ!
毎週楽しみに見ています。