どうも。毎週土管くんを見るのを欠かさないFROGMANファンのトーノZEROです。
秘密結社 鷹の爪は面白く、「秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE ~総統は二度死ぬ~」はわざわざ南大沢の映画館まで行って見た上に、DVDまて買ってしまいました。そういうわけで、劇場版第2作も見ようと思っていたのですが、まだ先だと思っていたらいつの間にか上映が始まっていて大焦り。あわてて見に行こうと思ったものの、そこは理性で押さえました。せめて土日まで待とう。待てば南大沢での舞台挨拶は見られなくなりますが、やむを得ません。
というわけで、昨夜、やっと来る土曜日に見に行こうと何気なく映画のブログをチェックすると、西新井と市川で舞台挨拶があるらしいと分かりました。西新井はかなり遠いことが分かりました。なら市川ってどこだろう……と思ったら。なんと本八幡が最寄り駅ですよ。京王線から本八幡行きの急行に乗れば1本で行けます。こんなお手軽に行ける場所なら、行かない理由はないと思い、行き先は「TOHOシネマズ市川コルトンプラザ」に決定。そして、席を確保するために、昨夜のうちにネット予約を決行。
ところが、なぜか手続き中に普通の大人料金が表示されません。調べてみると、なんとTOHOシネマ10周年記念で毎月14日は¥1,000で見られる"TOHOシネマズデイ"であることが判明。なんとラッキーなことに、価格まで安く映画を見られたわけです。
更に、都営新宿線全線乗車もこれにて達成。瑞江から先は乗ったことがなかったのですが、これで初乗車です。
古墳ギャルのCoffy~12人と怒れる古墳たち §
さあ鷹の爪を見るぞと意気込んで見始めたらコフィーが始まりました。
しかし、この内容が凄い。
裁判員制度の解説を含めた裁判ムービーです。
根拠のない予断や思いこみによって、被告のダニエルの立場がどんどん悪くなっていくという凄い内容です。しかも黒幕はあの……。
こんなに黒くて笑える映画は滅多にないぞ!
社会のシステムの問題点を暴くという意味でもナイスだ!
なんて素晴らしいんだ!
すごい受賞歴 §
前作はニューヨーク国際インデペンデント映画祭のアニメーション部門 最優秀作品賞とアニメーション部門 国際アニメーション 最優秀監督賞の2部門を受賞。
更にカンヌでも上映されたそうです。
やはり凄い作品です。
いやこれは凄い内容だ §
序盤は、「こんなものか?」と思いながら見ていましたがこれは間違い。
なんと、ノリだけの一発ギャグだと思った1つ1つのネタが、きちんと伏線として生きていて、思いがけないところでつながる意外性。これはやられた!
クライマックスでの有名声優の「間違った使い方」も凄い。予算があからさまに無駄遣いされています。それがまた素晴らしい! ある意味でスカッとしますね!
もう1つ、バジェットゲージの上手さに磨きが掛かっていますね。作品内で商品の宣伝が出るごとにゲージが上がるのが笑えます。特に、カスペルスキーさん登場はあまりの意外さに笑えました。
また、Mr.Aや美津子さんの素顔もさすが。
舞台挨拶 §
上映後にFROGMANさん登場。
1人で映画を作ると1人で舞台挨拶もやらねばならぬと愚痴っていましたが、徐々に盛り上がってくると話の内容も面白く、最後は全員を立たせて「たーかーのーつーめー」とやらせました。もちろん私も喜んでやりました。
ちなみに、その際は舞台の上で地声から瞬時に総統の声に変わり、その後吉田君の声に変わったのはさすが。本当のこの人は大半の声優を1人でやってますよ。
全般的な感想 §
これだけ面白いアニメがあるのに、「今時のアニメはつまらない」と公言してはばからない連中はいったい何を見ているのでしょうね?
見終わって本八幡の駅まで歩きながらそう考えていました。
敗者への優しさというテーマ §
この映画を貫いているのは、やはり「敗者」への優しさでしょう。
ハンサムを偽装するMr.Aにせよ、美女を偽装する美津子にせよ、デラックスボンバーを出せなくなったデラックスファイターにせよ、温泉が止まって難儀している島根の人々にせよ、みな敗者です。
そして、負けて挫折した者に対して、鷹の爪団はとても優しい視線を向けます。ラストシーンは、まさに負けたMr.Aに向けられる鷹の爪団の優しさでしょう。
だからこそ総統は挫折せざるを得ないわけです。総統の理想は彼らが敗者であるという現実の前では力を失わざるを得ません。しかし、総統の理想は敗者にとって希望の光でもあります。だから、総統の復活もまた必然なのです。
それゆえに、この作品は魅力があります。この世界の人間達は、基本的に「自分が敗者であると気付いてしまった者」と「まだ気付いていない敗者」の2種類しかいないからです。敗者への優しさとは、見る者達に対する優しさそのものとなり、それは見る者への優しさを意味するからです。