2008年07月01日
川俣晶の縁側電車好き鉄道模型鉄道模型雑話 total 5678 count

なぜナローゲージなのか・古川享さんと私の趣味的傾向の酷似性を地理的必然から考察する

Written By: 川俣 晶連絡先

 元MSの古川享さんが鉄道模型を趣味としているという情報は、私がMSKKに入社する以前に読んだ本に書いてありました。しかし、てっきりアメリカンなスケールの大きな鉄道が好きなものだと思っていました。

 MSKKの社員時代、古川さんと話す機会は何回かありましたが、しょせんいちばん下っ端とトップ(社長or会長)であるため、回数は多くありません。しかも、他に話題は多くあったので、(新宿ムーンベースやSol-20など趣味性の高い話題も含め)、鉄道模型の話をすることはありませんでした。

 しかし、古川さんがMSをやめてブログを始めた後で、古川さんの趣味がナローゲージにあると分かってびっくり。昔は私の鉄道模型の趣味もナローゲージがメインだった時期があるので。

 そのあとで、実は趣味が近寄る「地理的な必然性」があるのではないかと思うようになりました。

 古川さんは桜上水団地に住んでいたとされますが、そこは私の家(下高井戸)からは非常に近いのです。中間に首都高4号&甲州街道、京王線があり、しかも区の境界をまたぐのですが、直線距離にすれば近いのです。これが、趣味の酷似性を発生させた可能性があり得ます。

前置き §

 曖昧な記憶で書いているから、嘘八百かもしれません。けして内容を信じないように。

1970年代後期のナローゲージブーム §

 日本の鉄道模型界では、1970年代後期にナローゲージがブームになったような気がします。機芸出版のナローゲージモデリングという本も出版されています。

 この時のブームの発信源は、乗工社だったような気がします。この無名の小さなメーカーが、1/87 9mmゲージという手軽に参加できる渋いロマンを語ってみせたわけです。

 この趣味には2つの特徴があったと思います。

 第1に、Nゲージよりも更にコンパクトな面積でレイアウトが成立したこと。(急曲線はむしろナローゲージの醍醐味だ)

 第2に、安価なNゲージ車両の改造によって、手軽に車両を製作できたこと。たとえば、トミー(TOMIXではない)のC型ディーゼルのキャブを切って屋根を高く付け直すのは定番の改造工作だったと思います (自分もやった)。

 つまり、参入するにあたって金、時間、スペースを要求せず、金持ちである必要が無かったわけです。それにも関わらず、渋い魅力を放つ良い趣味でした。

地理的な位置関係 §

 さて、具体的な地理として語るなら、このブームの発信源は、乗工社の製品を扱っていた方南町の珊瑚模型と、つつじヶ丘にあった乗工社のショールームのような気がします。

 実は、下高井戸/桜上水というロケーションは、この2つへのアクセス性が極めて良好なのです。京王線に乗ればつつじヶ丘はすぐです。一方、方南町への電車でのアクセスは極めて不便です。一度新宿に出て、丸ノ内線に乗り換えるという大回りを強要されます。しかし、直線距離はそれほど長くはないため、子供の定番の足となる自転車を使えば方南町へ行くのは容易なのです。しかも、神田川沿いのサイクリングロードという車の入ってこない走りやすい便利な道を使えます。

結論? §

 つまり、同時期に極めて近い絶好のロケーションに住んでいたため、同じような良いものに触れる機会を得て、同じような趣味を持った可能性は十分に考えられます。事実かどうかは知りませんが。

余談 §

 (更に、新宿ムーンベース、Sol-20というキーワードも同じ理由で解釈できる。新宿西口にリーチする京王線、あるいは西から甲州街道経由でアプローチする自転車少年であれば、西口甲州街道沿いに位置する新宿ムーンベースは絶好の位置にある。逆に、東口のアスターインターナショナルは、極めて不便な場所になる)