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2008年11月14日
川俣晶の縁側過去形 本の虫パッパラ隊を読むtotal 5301 count

女装コミックとしてのパッパラ隊・突撃1~4巻感想

Written By: 川俣 晶連絡先

 新装版の「突撃!パッパラ隊」1~4巻を読んで思ったこと。

 漠然と覚えていたよりも、女装系ネタの比率が高い!

 漠然とした印象から言えば、女装は江口夏海の登場で始まり、すぐに水島自身が自己嫌悪に陥り終息したと思っていました。

 しかし、これは全くの誤解。

 よく読むと、第1巻OPERATON1から既に女装ネタが炸裂しています。とびかげのセーラー服美少女女装があります。

 第1巻OPERATON4は水島の過去を描いていますが、姉に憑依する父というのは、「憑依系性転換」の一種であり、これは女装に隣接したジャンルです。あるいは、パッパラ隊という作品を通して繰返し出現する「女装、性転換を包含した女性化願望」という流れにはジャストミートする内容です。明確な女性化願望は表出していませんが、そのような欲望が隠されたエピソードと言えます。(そして、水島が女性化を受け入れてしまう血筋的な根拠とも解釈できます)

 第1巻OPERATON6では一同が買い物に出掛けますが、ブティックで水島は女性用ハイレグ水着を勧められます。ここでランコは冗談として行いますが、店員は本気で勧めています。ここで、水島の女装の準備は完了したと言えます。水島自身に女性化を受け入れる血筋があると同時に、それが他人から見ても期待されるものであることが、ここで提示されたわけです。

 その準備は、さっそく次の第1巻OPERATON7で活用されます。江口夏海はまだ登場していませんが、ここで水島は初の「似合った」女装を見せます。アルマ・ジローニのパーティーにランコとマイの護衛として女装して乗り込みます。しかも、アルマ・ジローニが本気で惚れ込む美女です。

 つまり、これだけの内容が既に第1巻の段階で行われているわけです。

 さて、このあと江口夏海が登場し、スマイリー熊本が登場し、水島の女装が炸裂し、いずみちゃん(笑)が大人気になり、ランコが怒り、水島が自己嫌悪するわけです。

 そして、第4巻OPERATION24のパッパラ隊最強トーナメントにおいて、いずみちゃんを望む男達を水島が倒し、この流れは一応の決着を迎えます。(白鳥沢体長の女装については、ここでは触れないことにしましょう)

 その後、第4巻OPERATION27で、ドラグネット側の女装や、宮本隊員の父母への嘘を突き通すために水島がやむを得ない女装を行うといった話はありますが、基本的には女装ネタは終息に向かいます。もはや、水島にも周囲(特にランコ)にも、女装に向かう動機付けがありません。まして、水島が自発的に女装を行う展開はあり得ない流れになっていきます。

 ところが……。

 うっかりしていましたよ。

 第4巻OPERATION29で水島は再び女装します。ヘンタイ半魚人をおびき出す囮に自ら自発的になるのです。しかも、自発的な女装であり、かつ、女装することに対する葛藤は何もありません。ここで衝撃的であるのは、「自発的」かつ「葛藤がない」ことです。つまり水島がここで示したのは、「女の子達を危険に合わせない」という大義名分さえ立てば、喜んで女装するという事実です。女装を受け入れられる、ではありません。積極的に自ら女装という道を選ぶという意味です。

感想 §

 うーん、やはりパッパラ隊は凄い作品です。深いです。濃いです。

 ちなみに、パッパラ隊で最も好きなのはいずみちゃん(笑)ではなくランコであり、その話もいずれ書くかも知れません。

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