2009年02月28日
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静嘉堂文庫美術館・「静嘉堂文庫の古典籍 第7回 古地図の楽しみ―江戸時代の町を歩く―」展・世田谷区立 岡本公園民家園

Written By: 川俣 晶連絡先

契機 §

 静嘉堂文庫美術館という施設が存在することは前から知っていました。訪問してなかった理由は簡単で、交通が不便だったからです。お隣の世田谷区にあるとはいえ、東急田園都市線沿線はかなりアクセスが不便かつ縁遠く、更にそこから「バスに乗れ」となると、よほど根性を入れないと行けません。

 それにも関わらず、今日になって行ってきたのは、関係ないネットサーフィン中にタモリ倶楽部「桃栗3年 崖10万年 国分寺崖線を行く!!」の放送情報とセットで、古地図に関する展示を行っているという情報を得たからです。

 そういうわけで重い腰を上げて、行ってみました。

緑道 §

 世田谷線で三軒茶屋に出てから東急田園都市線に乗り換え二子玉川で下車。そこでぐるぐる歩いたものの、開いているラーメン屋はなく、マクドでクオーターパウンダー チーズを試しに食べてみてから歩行開始。もちろん、バスなど乗らなくて良い距離だと確認してのことです。

 地図上に緑道があったのでそれを歩いていくと、そこは谷川緑道。川跡です。一部、脇に川が流れている場所があり、かなりワクワクしますね。

砧線跡歩道 §

 しかし、その程度で喜んでいる私は甘かった!

 そのまま歩いていくと、その先は玉電の砧線跡歩道だったのです!

 水の道かと思いきや、いつの間にか鉄の道の跡まで堪能できてしまうとは!

静嘉堂文庫美術館 §

静嘉堂文庫美術館

 三菱系の美術館、のようです。

 ここが本当に23区内か、というぐらい木々が茂る丘の上にありました。

 何とも壮絶です。

 他の建物や記念碑なども半端ではない感じ。

 凄いところに来てしまったと思いました。

「静嘉堂文庫の古典籍 第7回 古地図の楽しみ―江戸時代の町を歩く―」展 §

 古地図は見ていると本当にいくら時間があっても足りないので、ほどほどにしていました。

 ちなみに印象に残るのは、利根川流域の詳細な地図『関東水流図』とカナ書き伊能特別小図です。後者は、甲州街道上にどうしても読めない仮名書きの地名があって必死に読解したところ「タカイド」だと気付いて自分の間抜けさにショックを受けました。(1文字目がタに見えず、4文字目が他の名前とかぶって見えにくかったので、最初は読めなかった)

世田谷区立 岡本公園民家園 §

岡本公園民家園

 静嘉堂の裏口から坂を下りると目の前が「世田谷区立 岡本公園民家園」でした。ここも、以前から存在は知っていましたが、縁遠かった場所です。

 というわけで、ついでに見てきました。

 ここの古民家は、とてもいい感じですね。大正と昭和のひな人形が飾られていました。

タッチアンドゴー §

 帰りは、吉沢のバス停から小田急線成城学園前駅に出て帰ろうと思ったのですが、歩いていろと次から次へといかにも水路跡っぽい場所に出会います。さすが多摩川に近い場所は違うと思いました。また、世田谷で「世田谷の川」愛好趣味が生じる理由もよく分かりました。

 しかし、それでもまだ甘かった!

 吉沢のバス停(成城学園前駅方面)に来てみると、バス停の背後にコンクリート板暗渠が。しかも、一部は蓋が無く、開いています。

タッチアンドゴー?

 更に興味深いことに、水路が道路に接近してから急に方向転換して離れています。このようなパターンは下高井戸近辺に典型的に見られ、個人的にタッチアンドゴーと命名しています。川/水路跡に対して接近して急に角度を変えて離れていく道がいくつもあるのです。それと同じパターンがここにも見られるとは……。と思った直後に間違いに気付きました。

 「逆だよ逆!」

 下高井戸近辺に見られるのは、道路が接近するパターン。ここの形は水路が接近するパターン。同じではありません。

 ありゃりゃ。

脱帽 §

 このあたりは、私如きでは太刀打ちできないほど芳醇で濃い世界です。

 本当に脱帽です。