今日は弥生美術館の「メルヘンの王様 やなせたかし展 ~『詩とメルヘン』からアンパンマンまで~」と、立原道造記念館「詩人・建築家 立原道造[前期]」に行ってきました。
「メルヘンの王様 やなせたかし展 ~『詩とメルヘン』からアンパンマンまで~」 §
「やなせたかし」といえばアンパンマンです。しかし、他に「ニャニがニャンだー ニャンダーかめん」という作品があります。昔はこれのアニメが好きで見ていました。この「ニャンダーかめん」というのは、「助けてと言われれば誰でも助ける。それが敵でも味方でも」という口上で現れる変身ヒーローです。人助けのヒーローであって、正義のヒーローではありません。また、「助けて」と誰かが言えば、変身して駆けつけねばならない制約を持ちます。つまり、勧善懲悪という世界観は否定されており、しかもヒーローになることはけして素晴らしいことではありません。
そして、「やなせたかし」自身、アンパンマンよりもこちらの方が好みであるらしいことを語っていたと記憶します。
とすれば、彼は紛れもなく素晴らしい価値観を持った作家であり、注目するに値します。
というわけで、ワクワク嬉しい気持ちで見に行きました。
結果は予想以上でした。
絵のセンスは素晴らしいし、詩のセンスもあります。
(しかも、何でもできる器用貧乏ぶりを発揮しながらなかなか売れない経緯は、他人事に思えないし)
感性や価値観も、割と私と近いのではないか、という気もします。
いろいろ思いがけない、様々な側面を知ることができて、たいへんに満足しました。
「詩人・建築家 立原道造[前期]」 §
竹久夢二美術館はざっと見るだけにして、そのまま一度も行ったことがない立原道造記念館にも立ち寄ってみました。(3館チケットを買ったのです)
立原道造は詩人ですが、建築家でもあり、この展示では建築物のスケッチや図面なども多数展示されていました。しかし、これがまた素晴らしい! 直線的なラインの中に過不足無くバランス良く各要素が詰め込まれていて、鮮烈で美しいと思いました。
こういうものが見られるなら、ぜひとも足を運ぶ価値があるというものですね。
小さいながらも見て楽しい内容でした。