Xbox360で、Tom Clancy's H.A.W.Xの体験版を何回か飛ばしています。
飛ばしているうちに「この問題はもしかしたら本質的にイノセン・テイセスが抱えた問題と同じではないか」という気がしてきました。
本題の前に §
ここでのテーマではありませんが、ボタン配置のカスタマイズ性が低いのも困りものです。いつもACE COMBATで飛ばしている配置と同じにしたいのですが、どうもできないようです。その結果、機銃と兵装の発射ボタンが逆、ヨーとスロットルが逆(私はACE COMBAT 6でも逆にしているので)、兵装切り替えボタンが違う、といった使いにくさが出ています。これは、そのものズバリ、イノセン・テイセスで起こった問題と全く同じだったりします。(GCコントローラは一切カスタマイズできない)
しかし、致命的ではあるものの、それはここでの本題ではありません。
Tom Clancy's H.A.W.Xの問題とは何か §
リミッターを解除し、最大限の機動性を得るにはアシストOFFしなければなりません。しかし、アシストOFFにすると計器が消え、カメラが自機遠方に移動し、自機と目標物の双方が常に見える位置を維持し続けます。
このモードでも慣れれば思い通りに飛ばせるでしょう。
ここで考え込んだ問題はそこにはありません。
なぜ、アシストOFFにすると突然私は思い通りに機体をコントロールできなくなるのか、です。
その理由がようやく分かってきました。
戦闘機で激しい機動を行う場合、90度ロールを正確に決められるか否かは重要な問題です。ロール角度に過不足があると、不必要に高度が変わってしまうからです。あるいは、ターゲットロケータに対して垂直な角度を維持する機動が必要と言い直しても同じです。角度に過不足があれば敵機を正面に捉えられません。
さて、このような機動は、計器によって自機のロール角度(バンク角度)を正確に知り、それをコントローラで正確にハンドリングすることで実現できます。
ところが、アシストOFFでは以下のような状況が出現してしまいます。
- 計器が見えないので、自機の角度の基準が分からない
- 目視で自機の機体を見ながらそれを基準に機動させようとしても、自機と敵機の移動に伴ってカメラが動くため、目視した機体の角度の基準もずれていく
これらも含めて慣れれば、おそらく正確な機動は可能なのでしょう。
しかし、かなりトレーニングして慣らす必要がありそうです。
イノセン・テイセスの問題とは何か §
イノセン・テイセスでヌンチャクを操縦桿に見立てた時の問題は同じではありません。イノセン・テイセスでは、計器が常に見えるので、自機の角度は把握できます。しかし、スティックのニュートラル位置が正確に把握できません。これも、トレーニングして慣れれば済む問題だろうとは思いますが、慣れない状況ではなかなか安定した直進や、無駄のない方向転換ができません。
私はこの問題に対処しきれず、結局GCコントローラに転向してしまいました。
問題の要点とは §
これらの問題は「より遊びやすくしよう、飛ばしやすくしよう、直感的に分かりやすくしよう」という善意の工夫がむしろ仇になって扱いにくさを産んでいる、という点で共通しているようにも思えます。
本家フライトシューティングのイノセン・テイセスと、別スタッフによるフライトシューティングであるHAWXのどちらも、全く別の方法論を採用しながら同じような問題に落ち込んでいるように見えるのは、興味深いところです。
ただ、イノセン・テイセスは単純に「ヌンチャクを使わない」という方法で問題を回避できるのに対して、HAWXは一切回避する手段がない(アシストOFFでのカメラに選択の余地はない)という点で、やはりHAWXには物足りなさを感じてしまうのも事実です。
若干の感想 §
せっかく、ACE COMBATを意識したフライトシューティングらしいので、せめてボタンがカスタマイズできるなら買ってもいいかな、と思いました。でも、現状ではちょっと難しいかなあ。
余談的な感想 §
より上級の操作(アシストOFF)になると計器が消えるというのはどうなのでしょう? 計器を使いこなすことの方がより上級かな?という漠然とした印象もあります。