トーノZEROのアニメ感想です。
今日のポケモンDPの感想。
サブタイトル §
「バトルピラミッド!シンジVSジンダイ!!」
あらすじ §
シンジはスズナにジム戦を申し入れますが、その朝にシンジの兄のレイジが来て、更にバトルピラミッドも来ます。
レイジは、バトルピラミッドの挑戦して敗北し、バトルフロンティアを制覇できなかった過去がありました。そして、その敗北を見ていたシンジは強さと自分のスタイルを求め、ここでバトルピラミッドのジンダイに挑戦します。
熱くなりすぎたシンジは、ジンダイに圧倒的に敗北します。ジンダイは、過去にこだわりすぎ、本当のシンジのバトルではないと指摘します。
レイジは、サトシとシンジのフルバトルを見たいと提案します。
感想 §
本当の意味で「世界」のある作品とは、ゲストキャラとゲストキャラの関係が存在する作品だとも言えます。こういう「旅もの」というジャンルで、主人公は各地でいろいろな人と出会いますが、たいていの場合その場限りの関係であり、ほとんどは「主人公」と「彼ら」の関係性だけであり、「彼ら」と「彼ら」の関係性はほとんど出てきません。これが一般的です。そして、ポケモンというアニメでも、おおむねその方向性は同じだったと思います。もちろん、ヒョウタとトウガンが親子、といった関係はありますが、特別に設定された特殊な関係性という感があります。
という話を前提に考えたときに今回のエピソードが非常にドキドキものであるのは、ともかく「本来なら交わる機会のないはずの者達が交わっている」点です。
まず、サトシのライバルであるシンジ、ヒカリのライバルであるノゾミは本来なら交わる機会のないキャラクターです。しかし、今回のノゾミは本気でシンジにカチンと来ています。
これは、今回のノゾミの立場が完全にヒカリのライバルではなく、地元に来た友達を迎えた1人の「地元民」だからでしょう。つまりノゾミには立場が2つあり、それが「世界がある」という意味です。
そして、バトルピラミッドの襲来は同じく地元のポケモンのリーダー格とも言えるスズナも巻き込みます。スズナが見せるジンダイに対する礼儀正しい挨拶も1つの見所です。こうやって、フロンティアブレーンやジムリーダー達が交わる別の「社会」があり、そこには別の人間関係があるわけです。
(似たような関係として、オオキドに「川柳ばかりやっているから……」と苦言を呈するナナカマドという関係もありますが)
その結果として、ジンダイとシンジのバトルは、何とギャラリーにサトシ一行だけでなくレイジ、スズナ、ノゾミも加わるというゴージャスさ。
そして、関係性が突き抜けた結果として、シンジがコンプレックスを持って勝利を目指したジンダイに対して、サトシは既に勝利していたという事実が発覚します。
これは、シンジが作り上げたバトルのスタイルが実は薄氷の上の際どいものに過ぎず、実績と経験の厚みの上にあるサトシのバトルとは全く異質であることを示します。だから、相手を圧倒している時のシンジは強いのですが、一度圧倒されてしまうと容易に冷静さを失ってしまいます。
今回の一言 §
それにしても素晴らしいのは、若者が成長するために「乗り越えるべき壁」としての役割を見事にこなすジンダイという大人の存在です。こういう大人は社会が必要としていますが、実際にこういう立場をこなすのは大変だし、なかなかできないものですよね。