2009年06月14日
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杉並区立中央図書館・阿佐谷文士村展示・杉並資料室

Written By: 川俣 晶連絡先

 有り難くも便利なネット上の蔵書検索によって、杉並区の中央図書館に興味深い資料が多くあることは知っていました。しかし、下高井戸からアプローチするには余りにも不便な場所なので、行く機会を持つことができませんでした。角川庭園 幻戯山房・大田黒公園に行ったときには、大田黒公園のすぐ近くなので立ち寄ろうかと思いましたが時間と体力の都合で見送りました。

 しかし、「て」さんより以下のようなメッセージを頂いたので、思い切って行ってみることにしました。(内容は下高井戸分水について)

①まず分水口は、ご指摘の通りもっと上流です。杉並中央図書館にある30年位前の住宅地図に高速道路に並行した河川の記載があります。因みに途中の流路も住宅と土地交換して変更している部分もあります。やはり中央図書館の道路地図に記載あります(因みにこれは凄い。過去の年月日に遡って河川とか水道用地から、道路に変更とか、住宅と交換とか記載されています)

杉並区立中央図書館とは §

 Advanced/W-ZERO3 [es]を持っていくのを忘れたので写真はありません。

 ここは杉並区の図書館の総本山であるだけでなく、阿佐谷文士村展示や杉並資料室などの施設も含み、隣には池のある庭園まであります。実質的に「図書館+α」的な存在だと思います。

 さて問題は杉並資料室です。実は極めてうかつなことに、この場所に至るヒントは身近にありました。杉並区立郷土博物館 平成14年特別展『杉並の地図を読む』といえば、私が初めて杉並区立郷土博物館を訪問したときにやっていた特別展であり、このときの図録は今でも活用している地図集です。この特別展の講演会は聞いていませんが(訪問したのは講演会が既に終わった後だったし)、記録がネット上にありました。

 この中の以下の点です。

●質問者2

 国会図書館の地図コーナーで資料をコピーなされたということなのですけども、例えば、そういう地図を調べる時に杉並区だと中央図書館だとか郷土館で古い時代の地図は保管されていないのでしょうか。

●司会者

 うちの方で保管はしているのですが、コピーは著作権の問題があるので出来ません。コピーは図書館とか司書のいるところでしか出来ないので、法的にうちではご提供していないのです。中央図書館には2階に杉並資料室がございましてコピーですが並んでいます。図書館の方ではコピーがとれますので。そちらをご利用ください。

 つまり、うちでは地図をあまりサービスできないから中央図書館の杉並資料室に行ってね、というガイドメッセージが既にここにあったわけです。

 結論から言えば、これに気づけなかったのは痛恨です。

阿佐谷文士村展示 §

 淡々と本が並んでいるだけですが、逆にそこからいかに解釈を導き出すかは見る側に問われるわけで、けっこうハードかも知れません。しかし、今日の本題ではないので、そこまでは踏み込まず。

おそるべし「参考図書室・杉並資料室」 §

 杉並資料室と併設の参考図書室は凄い。凄すぎる!

 まず、鞄はコインロッカーに入れないと入手できません。ローカルな地域の図書館の感覚ではありません。

 そして中に入ると酔えるほどに多くの貴重な情報が。

 帝都地形図を始め、地図も大量にあるし、郷土史関係の本も膨大です。

 たとえば、以下のような本は見たことも聞いたこともありませんが、興味を引かれます。

東京 郊外の地域学~日常的な風景から歴史を読む~

1999年6月30日

[編集・発行] 法政大学工学部建築学科

陣内研究室・東京のまち研究会

 また大宮八幡に関してはこのような本がいきなり目に飛び込んできました。

東京 和田大宮の研究

平成17年8月1日 第1刷発行

著者 萩原弘道

発行人 大宮八幡宮

宮司 鎌田紀彦

出版社 株式会社サンロード

 しかし、今日の本題ではないので、これらの本はぐっと我慢。

 ただし、何となく手に取った「東京府豊多摩郡誌」に関しては貴重な発見があったので、問題のページに限ってコピーを取ってきました。これは別途書きます。

住宅地図について §

 古い住宅地図は開架の書棚になかったので司書の方に質問したところ、最も古いものはこれだということで、「全住宅案内地図帳 杉並区版 昭和44年度版」というものを書庫より出していただきました。

 本当はもっと古いものが見たかったのに昭和44年ではあまり古くないな……などと思ったら大間違い。この地図が扱っている年代は、下高井戸とその周辺の水路網が整理され暗渠化されていく変化の途中の状態を切り取った形になるからです。つまり、水路の一部は開渠のままで一部は暗渠になっている地図なのです。しかも、他にもいろいろ興味深い内容やヒントが次から次へと見つかってもう大変。

 おそらく「て」さんが書いた「杉並中央図書館にある30年位前の住宅地図に高速道路に並行した河川の記載があります」という住宅地図はこれでしょう。確かに、玉川上水の屈曲部から北西方向に向かって、玉川上水に平行した小水路が描かれています。(とはいえ、既に玉川上水は無い時代です。高速道路もありませんが)

 この件は、それ以上のトピックがあるので、後でまとめ直して書きます。

 「て」さんが言及している道路地図のチェックを失念したのは痛恨ですが、今日のコピーを貰ってきた範囲内だけでも膨大な話題を獲得できた感じです。

 ありがとう、「て」さん。

 ありがとう、杉並資料室と司書の皆さん!

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