スカイ・クロラとユルギス・カイリスと風立ちぬの関係等の話題は一応終わりましたが、思わぬ話題に飛び火しました。
というのは、この問題はまさにACE COMBAT 5の最強戦闘機は何か、という話題に直結してからです。
ここでは「戦闘機に関する価値観の対立とイノセン・テイセスとProject ACESの矛盾!?」で書いた軽戦主義と重戦主義という言葉を使います。
私的な好きな戦闘機の遍歴 §
ACE COMBAT 2で好きだったのはX-29です。まさに軽い戦闘機です。
機種選択の余地が少なく好き嫌いを発揮しにくいACE COMBAT 3は横に置くとして。
ACE COMBAT 04で最もよく使ったのはX-02です。これも宇宙的な機動を実現する軽い戦闘機といえます。
この流れを見る限り、明らかに軽い戦闘機を好む軽戦主義的な傾向が見て取れます。
ところが、ACE COMBAT 5になると自分の愛機として認定したのはTYPHOONであり、これは明らかに重くパワーのある高速機です。他によく乗ったFALKENも同じ傾向です。その後、F/A-22Aにもよく乗るようになりましたがこれも同傾向です。逆に、X-29やX-02は滅多に乗りません。軽快に細かく機動できるSu-37にも乗りません。軽快に機動する機種としてF-15S/MTDには比較的よく乗りますが、XMAAによる遠距離先制攻撃を併用するのが前提であるため、必ずしも軽戦主義的な戦闘機として選んではいません。
つまり、自分のフライト史の中に、明らかな軽戦主義から重戦主義への転換を見て取ることができるわけです。
そして、この転換が起きた理由ははっきりと分かっています。
一言で言えば「上手くなったから」です。
より具体的に言えば、以下の通りです。
- 初期には腕が悪いために思い通りの位置に飛ばすことが難しく、機体の機動性の高さに頼るしかなかった
- ACE COMBAT 5の頃から自機のコントロールと先読みの能力が飛躍的に高まり、無理なく自機を思い通りの位置に移動させることが容易になった
- その結果、有利な位置より攻撃できるチャンスが増えた
- その場合、欲しいのは敵機を圧倒的に追い込むパワー、スピード、射程の長い兵装であり、機動性ではなくなった
この流れが、熟練の必然であるとすれば、解釈は変わってきます。
なぜSu-37は入手が困難か §
TYPHOONやF/A-22Aは普通にゲームを進めるだけで利用可能になります。
それに対してSu-37はポイントを貯めねば利用できません。
その状況から見れば、Su-37の方がより強力な上位の機種であるかのように見えます。
しかし、「乗りこなすのに腕が必要」という条件を付加してみると、実は以下のように解釈できます。
- 乗りこなしに腕を要するTYPHOONやF/A-22Aは入手が容易だが、それで成果を出せるとは限らない
- 未熟でも成果を出しやすい「魔法の杖」的なSu-37は入手のハードルが高い
つまり、このゲームには2つの側面が最初から仕込まれていたことになります。
- プレイヤーの腕に依存するプレイ。腕さえあればすぐ楽しめる。延々と経験値稼ぎをする必要はない
- 累積時間に依存するプレイ。RPGが経験値を貯めてレベルアップするのと同じように、長く続けることでより強力な飛ばしやすい機体が手に入って、より大きな成果を得られる
このように考えれば、前者のための最強戦闘機がTYPHOONやF/A-22Aであり、後者のための最強戦闘機がSu-37となり、全く異質なゴールが設定されていた可能性が示唆されます。(架空機を除けば)
感想 §
うーん。今になって更に解釈が深まるとは。
ACE COMBAT 5は奥が深いです。