ヤマトには、導く女神が不可欠です。
では復活編においては誰が導き手の女神なのか。
見る前は美雪だろうと思っていましたが、彼女の出番は多くないし、能動的に関わることも多くありません。
アマールの女王も内政で手が一杯に思えます。
そこで、はたと気づきました。
折原真帆こそ導き手の女神ではないかと。
実は人類の運命はほとんど彼女の指示に委ねられています。ヤマトその他の男達もほとんど彼女の出した結果に従って動くことになります。第3次移民船団の成功も、ほとんど彼女の提案のおかげです。
更に彼女の扱いは格別です。
- 第1艦橋からイスに座ったまま上下に移動できるのは艦長と彼女だけである (他の野郎どもは走ってエレベータに乗れ!)
- 公式サイトに入ったビジュアルで彼女だけ扱いが古代に次いで大きい
- ラストシーンは彼女で締めくくられる
- 美春先生と違って、具体的な男とのラブラブ展開が無い
- 第3艦橋で部下の女の子達を従える姿はまさに「女王」だ
つまり、古代は「諦めない」力と「気づく力」を発揮したのに対して、彼女こそが具体的に「導く力」を発揮したのだと言えます。
しかし、興味深い点は他にあります。
実は、自らが導き手であることに、それほど有自覚的ではありません。彼女は、感情を持った1人の若い人間でしかありません。褒められて顔を赤くしたり、慌てて命令されて第3艦橋に行ったりするあたりに、しっかりした人間性が見られます。
ですが、それこそがヤマトIII~完結編に欠けていたピースだと思えば、まさに歓迎されるべきクルーです。
(マザーシャルバートも森雪も惑星アクエリアスも、結局導き手の女神ではなかったのだな)
まとめ §
ヤマトにイスカンダルのスターシアが必要であることは議論を待たないでしょう。
しかし、「自分の力で運命を切り開く」と思うなら、やはり「導き手の女神」は艦内にいるべきでしょう。
(そういう意味で、永遠にのサーシャは良かったと思いますよ。彼女は少なくとも艦内にいたから。しかし、良くないのは最後にヤマトを降りてしまったことと、死んでしまったこと)
余談 §
「永遠に」といえば、あの必死に「考える人」の真似をして首をひねった太助があれだけ立派になるとは。
更に余談 §
ということは、今回のヤマトは「他力本願ではない」ことが特徴となります。異星人の女神に依存する第1シリーズその他はやはり他力本願です。
しかし、誰が敵で味方かも分からないヤマトIII的世界において、「他力本願」はあり得ないでしょう。自分をしっかりと持ち、自力で運命を切り開く者にこそ運命は微笑むという意味で、女神は艦内の地球人である必要があります。
もっと余談 §
第1シリーズは別格ですが、初めてそれと比較して考えられるヤマトが手に入ったのかも。