横田順彌さんというSF作家がいます。
昔、ハチャハチャをよく読んだなあと思います。
その頃に疑問だったのは、以下の情報が矛盾しているように思われたからです。
- SFに関する知識が特に多いらしい
- しかし、馬鹿げた語呂合わせのようなギャグ作品ばかり書く
しかし、後から徐々に分かってきました。
知識があればあるほど、どのようなアイデアも「他人の二番煎じ」であることが分かってしまうので、オリジナリティを希求するという極めて困難な目標に進んだ結果がハチャハチャであろう、と。
その後、横田順彌さんは明治を舞台にした作品を書いていくことになります。たとえば、宇宙戦争の火星人が日本に来て押川春浪が戦うといった作品も書きますが、実はその背景にあるのはストイックな歴史研究で、一般ウケする訳ではありません。押川春浪の敵は、実は火星人だけではなくお札にもなった新渡戸稲造もいるわけですから。なぜかといえば、野球の味方であった押川春浪は、「野球害毒論」の新渡戸稲造を批判したから。逆に押川春浪の味方は早稲田の野球部を応援した吉岡信敬らつまり天狗倶楽部の面々というわけです。
おそらく、大半の読者は置いてきぼりで、喜んでいたのは一握りでしょう。しかし、限界を突破して何かの新しい世界に突入していたのは確かでしょう。世の中に、山本五十六ら太平洋戦争の軍人が出てくる小説は山ほどあれど、ああいう明治の世界を描いた作品はけして多くはありませんし、おそらく売れてもいません。
(そういう意味で、小説の無責任艦長タイラーの外伝で日清戦争の海戦をわざわざ描いていたのも良かったけれど、たぶん受けたのはごく一部)
という話で何を言いたいのかと言えば。
実は今になって突然気付いてしまったわけですが、ヤマトの伝統を「押川春浪 海底軍艦」にまで延ばして理解しようとした瞬間、いくつか読んだ横田順彌さんの本(小説以外の本もある)が理解の太助いや、理解の助けになってくれるという点です。
というわけで、話がなぜかつながってしまいました。
あれまあ。
オマケ §
「しかし、押川春浪まで話が行くと何かこう、突き抜けて別の世界に行ってしまった感じ委があるね」
「そうそう。そこまで行くと、野球なんて中継でアニメの放送を潰すから嫌い、とか言っていられなくなる」
「野球害毒論とか早稲田の野球部の話につながっていくからね」
「というか、もう野球中継がいかに迷惑かっていう感覚も過去のものになりつつあるのかも。後の番組の放送時間が30分ずれるってだけで迷惑なのに最悪の時期はずれる時間さえ不定」
「ずれるかも分からないのに、ずれる時間も分からない。その後の番組を録画予約する人にはいい迷惑だ」
「30分余計に予約すればいいと言った人もいるよ。2時間の映画を2時間のテープで録画するとき、どうやって30分余計に予約できるんだ?と言ったら黙り込んでしまったけど」
「ははは」
「深夜の5分番組なら、時間さえ守ってくれれば5分だけテープを消費するだけでいいのに、30分余計に予約したら35分分も消費して大損だしね」
「番組内の1コーナーというのも録画に困るけどね」
「編成上のアニメ軽視の風潮はかつては困りものだったよ」
「今でも番組改編期になるとゴールデンタイムのアニメが山ほど中止になるよ」
「それは言わない約束でしょ」
「それはさておき、アニメの本数が少なかった時代は単なる放送中止も子供にとっては大問題だ」
「そうだね」
「更に言えば、雨天中止時に珍しい番組をやるときは、雨が降れと願っても降らないし」
「ははは。それもひねくれているね」
「あと、ヤマトはプロ野球のオフシーズンにやっていたから助かったけど、もし放送期間が短縮されていなかったら分からないね」
「そうか、4月以降も続いていたら、本当に野球シーズンと当たってしまうね」
「ついにガミラス星で決戦という時に野球で潰れたら、本当にバカヤローだろう」
「しかも、雨天なら放送するとか言われると、どうしても、やるかどうかの確認も必要だし」
「ヤマトにはプロ野球放送除去装置を先に取ってきて欲しいところだね」
「そうそう。ドーム球場が増えて、やるかどうかの不安定性が軽減されたのもありがたいね」
「ドーム球場でやると分かれば、雨でも確認不要。雨でも確実にレギュラー番組は中止だから、単に見なければいい」
「そこまで言い切るとプロ野球関係者が泣くぞ」
「それは仕方がない。こちらも泣かされた以上、誰もがそれなりに泣いて均衡を取るしかない。それに……」
「それに?」
「プロ野球を見ないと思われるのも困る」
「というと?」
「見てるぞ。ダイヤモンドをつんざいて侍ジャイアンツとか、ミラクルジャイアンツ童夢くんとか」
「それ、アニメ!」