「実は、昨夜、自宅のマウスが壊れていることが発覚した」
「どんな風に?」
「ボタンは有効なのに動かしてもポインタが追従しない」
「なるほど」
「そもそもレーザーが発光してないしね」
「問題はそこか」
「というわけで、急遽買ってきたが、深刻な問題に遭遇した」
「なに?」
「新宿ヨドバシには膨大な製品があるのに、PS/2ポートに接続できるマウス製品はごく僅か」
「ええっ?」
「完全に全部調べたわけではないが、新型になればなるほどPS/2対応は無し。それどころか、むしろ後退している」
「どういうこと?」
「それまで使っていたのはPS/2のレーザーマウスだが、レーザーでPS/2対応の製品はざっと見た限り無かった」
「ええっ?」
「世はまさにUSB時代だ」
「なら君もさっさとUSBマウスに切り替えればいいやん」
「できればそうしている」
「まさか、USBポートもない昔のパソコンで使いたいとか?」
「そうじゃない。KVCがPS/2ポート対応なのだ」
「じゃあ、KVCごと更新すれば?」
「確かにそれは考えた。しかし、4ポートの切り替え機はけっこう高く付くのだ。マウス1つなら安ければ千円コースからあるが、4ポート切り替えのKVCが1万円コースになってしまうのだ。その場で決断するには高すぎる」
「うーむ。でも、それって君が時代遅れのKVC使ってるからいかんのではないの?」
「そう思うだろう? でもそうじゃないことが分かって更にびっくりした」
「えっ? 違うの?」
「実はヨドバシでKVCコーナーをチェックして愕然とした」
- マウスコーナー → ほぼすべてUSB接続・PS/2は絶滅寸前
- KVCコーナー → USBも多いが、PS/2対応の切り替え機もまだ多い
「えっ?」
「だからさ。同じショップの中でも矛盾が出ているのだよ」
「まさか!」
「PS/2のキーボードとマウス使ってるユーザーがKVCコーナーで自然にPS/2対応製品を買って、そのまま『せっかくだからマウスも新品に変えるか』とマウス売り場に行くと愕然とするわけだ。ほとんどの製品はUSBのみだから。最先端の青色レーザーの製品がUSB対応ばかりであるどころか、赤色レーザーの製品すらUSBばかりだ」
「そりゃショックだろうね」
オマケ §
「どうして、そんな矛盾が起きるのかな?」
「おそらく、ショップのせいではない。メーカーが違うから方針が同期してないのだ」
「ええっ?」
「たとえば、マウス売り場で目立つブランドはロジクールとかマイクロソフトだ。今日おいらが買ったのもロジクール。仕事場ではマイクロソフトのマウスを使ってる」
「うん」
「でも、たとえば今使ってるKVCはコレガの製品だ」
「そうか。メーカーが違うね」
「KVC側はまだまだPS/2のニーズあるから製品を製造して出荷するよ、という感覚かも知れない」
「でもマウス側はもうPS/2のニーズほとんど無いから製品ラインナップからどんどん減らすよ、ってことなのかね」
「さあ、それは分からないけど、別の人なら別の発想を持っても不思議ではないね」
年寄り用のオマケ §
「さあ若い人はかえったかえった」
「なんだよ急に」
「PS/2の話をするよ」
「なんだよ、散々これまでしてきたじゃないか」
「ノンノン。PS/2と言ったらIBMの新型パソコンだろ? MCAだろ?」
「若い人が分からないネタが来た~」
「結局、PS/2はぜんぜん普及せず、MCAも普及せず、MCAの対抗技術であるEISAも普及せず、VL-Bus経由で世の中はPCIに行ってしまった感じだね」
「そうだ。その中で、キーボードとマウスだけ辛うじてPS/2という規格が残った。でも、もうそれも滅びつつあるのかもしれん」
「いよいよ、さようならPS/2というわけだね」
「今回はレーザーを諦めて光学式でまだしもPS/2ポート対応のマウスが買えたからお茶を濁すけどさ。次回はもうKVCごと置き換えるしかない。自宅のKVCは切り替えボタンも反応しにくくなっているし、そろそろ潮時だろうな」
「高い安いの問題ではないわけだね」
「製品が無ければ、値段を論じる意味も無くなる」
「そうだね」
「あと、アナログ停波後に古い録画PCを整理して2入力KVCでも良くなれば、かなり安上がりで済むぞ。買い換えるのはそのタイミングでいい」