「前にも少し言ったが、やはりSPACE BATTLESHIP ヤマトは宇宙からのメッセージを意識しているのだ」
「どのへんが?」
- 世界マーケットを視野に入れている野望の企画
- 軍隊をやめて挫折して復帰する
- 死が軍隊をやめる切っ掛けである
- 天空に死を背負う (ベバ1号が星になって飛んでいる・古代の家族も宇宙で死んでいる)
- 夢が帰ってくる (議長の語りと共に、藤堂の語りと共に)
- 巨大な敵に立ち向かう道化 (巨大なる風車にむかいて、さあ行くぞサンチョパンサ。古代の降下)
- ロボットを連れて安全な船内を出て惑星に降下する (ガルダとベバ2号、古代とアナライザー)
- 地球艦隊全滅
- 印象的な敵の主力は空母
- トンネルもぐり
「こうして見ていると似てるね」
「ガルダ+ベバが、古代+アナライザーなんだ」
「本来なら、若いアロンとシローが古代と島に重ならないといけないよね」
「でも重ならない。むしろ、アロンとシローは加藤と山本だ」
「一緒に飛ぶお嬢様が森雪かねえ」
オマケ §
「これも書いた後でかなり寝込んだ」
「ネコ?」
「それはネコが寝込んだ。ダジャレ」
「でも、強引に探すと他の映画とも似ていると言えない?」
「そうでもない。たとえば、荒野に出てもスターウォーズみたいにランドスピーダーで走っていかないし、ロボが出てもでこぼこコンビにはならないで単体のままだ。ロボはあくまで人間とコンビだ。その点で、アナライザーもベバ2号も共通するが、R2D2とは共通しない」
「そうか」
「そもそも、西遊記+新撰組をモチーフにしたヤマトと、八犬伝をモチーフにした宇宙からのメッセージが似るわけが無いのだ。本来ならね」
「それでも似ている箇所が多いことに何か意味がありそうだってことだね」
「そうだ」
「それで君の解釈は?
「別に結論は無い。なぜか似ているらしいと気付いただけだ」
「解釈は無しか」
「読者の君が何か上手いことを考えたら教えてくれ」
「っていうか、他力本願?」
「ではガンプラでも作るとしますか、モアどの~」
「はい、頑丈なプラレス真田さん志郎、略してガンプラですね?」
オマケ0 §
「面白い話を聞いた」
「なんだい?」
「歴史が好きな女性を歴女という」
「うん」
「実はゼロ女も存在するという」
「何それ?」
「零戦が好きな女性」
「戦闘機が好きなのか」
「いやいや。イケメンパイロットが好きなだけ」
「はあ?」
「パイロットの墓参りに行ったり、そういう女性がいるそうだ。実際に多磨霊園の笹井中尉の墓に行ったりする女性がいるという」
「なるほど」
「そういうことから考えると、SPACE BATTLESHIP ヤマトの森雪も一種のゼロ女と解釈出来る」
「えっ?」
「イケメンの古代に憧れで戦闘機パイロットになっている」
「なるほど」
「しかも、古代の愛機はコスモゼロだ」
「やっぱりゼロ女だ!」
オマケ女 §
「この問題は実は重大な問題を示唆する」
「というと?」
「第2次大戦は既に歴史上の一コマであるということだ」
「前からそうじゃん」
「そうじゃない。従軍経験者が日本中にいて、経験を語っているとそれはまだ『歴史』にはならないのだ」
「そうか、語られる行為そのものは現在進行形でそこにあるってことか」
「そうだ。好き勝手な解釈では語れない重みが残る。そこは避けられない」
「なるほど」
「でも、従軍経験者がどんどん亡くなって人数を減らしている今、第2次大戦はどんどん歴史の中に埋没しつつある」
「それがどうしたの?」
「だから、ヤマトの解釈がこのあたりで大きく変化する可能性がある」
「というと?」
「古い世代の感覚で言うと、戦艦大和は世界で一番大きな戦艦であり、世界に誇れるものであり、しかも日本人が作ったものなんだ」
「そうか」
「でも、歴史の中に大和を捉えてしまうと、そこにあったもの、になってしまうんだ」
「作ったというリアルな手応えが希薄化してしまうってことだね」
「だから、SPACE BATTLESHIP ヤマトは戦艦大和の復活では無い」
「残骸の中身を入れ替えたものではないわけだね。サイズがあからさまに違うから」
「そこが昔のヤマトと解釈が違うところだ。まあ、そもそも入れ替えられる残骸が残ってない以上は無理の無い設定ではあるけど」
「サイズの矛盾も少ないね」
「だから悪い設定では無いが、世代的な解釈の差は見て取れる」
「なるほど。戦争を知ってる世代が作った旧ヤマトと、戦争を知らない世代がつくったSPACE BATTLESHIP ヤマトの差ってことだね」
「だから、松本先生が言っている人骨が出てくる残骸としての大和という話も意味がある。それは実際に日本人が乗っていて死んだというリアリティにも直結するからだ」
「魔法使いトチローが地下のドックに密かに用意した海賊戦艦とは違うってことだね」
我が青春のオマケ §
「ああそうか。分かったぞ」
「何が?」
「我が青春のアルカディアっていうのは、大和が特攻する前に降伏した日本のメタファなんだよ」
「えっ?」
「トチローが隠していた秘密の戦艦こそが大和のイメージなんだ」
「なるぼど」
「占領軍に屈服しない若者が大和に乗って敵を打破して出航してしまう話だったのだろう。イメージ的に。たぶんな」
「そうか」
「でもさ。このイメージは松本サーガにヤマトまで統合しようとしたときに致命的な問題を引き起こした」
「えっ?」
「ヤマトというのは、沈んだ大和が前提なんだ」
「ああそうか。沈んでいない大和をトチローがハーロックにあげちゃダメなんだ」
「この矛盾を解消するためには、沈んだ大和を肯定すると同時に、より強力な大和型戦艦が密かに存在していたことにしなければならない」
「おい、そのより強力な大和型戦艦って」
「おそらく、『まほろば』だ」
「ひぇ~」
オマケ復活編 §
「折原真帆が言いました。わたし、ロバのパン屋になる!」
「ロバのパン屋って、古い~~。でもどうして?」
「やはり動物さんと仲良く滅びないで済んだ地球を謳歌しないと」
「なるほど」
「折原真帆がロバのパン屋。略してまほろば」
「なんかそれは違うぞ。っていうか、西崎ヤマトネタと松本ヤマトネタを合わせても相性が悪くて長続きしそうに無いぞ」
「そうだ。だから、ロバのパン屋は都市化に伴って急速に姿を消さざるを得なかったのだ」
「一時期は凄く有名だったのに、急に消えちゃったものね」
オマケ軍曹 §
「っていうか、他力本願?」
「それがどうした」
「実はこのネタ書いた後で、2011/03/06放送のケロロ軍曹乙を見た」
「それで?」
「モア殿がまったく同じことを言った」
「わははは」
「偶然とは恐ろしい。聞いた直後にのけぞった」
「そうか」
「しかし、いい話だったぞ」
「どうして?」
「ガンダム00ネタと見せかけてディープなドラえもんネタだからな。USOエイトオーオーの話のネタが来るとはねえ」
「なんでそれに反応するんだよ」
「おぼろげながら子供の頃に読んだ記憶がある」
「アニメじゃないんだ。さすが学習雑誌世代」
SPACE BATTLESHIPオマケ §
「真田君。わしらはどうしてもあのメッセージの内容を信じられんのだよ」
「はい」
「君のことだ。こんなこともあろうかと、ヤマトよりももっと凄い脱出宇宙船を準備しているのだろう?」
「つまり、ヤマトは出航させるが、もっと凄い宇宙船の方で自分たちは脱出したいと、こう仰るわけですか?」
「ざっく中間地点、もといざっくバランに言えば、その通りだ」
「では、このような船はどうでしょうか」
「やはりあるのだね?」
「これです。ヤマトが持つあらゆる機能を忠実に再現した……」
「おお!」
「バルーンダミーです」
「がくっ」
「ヤマトの1/100サイズなので、レーダー波に捉えられる可能性が少なく、ステルス性も抜群です」
「一体これに何人乗れるというのかね」
「宇宙服を着てまたがった場合、せいぜい3人といったところでしょう。ちなみに、量産タイプの愛称は武蔵、信濃、紀伊、尾張、まほろばとなっております」
「本当に大丈夫なのかね」
「工作精度が落ちて、どんどん形状が劣化していますが、性能に差はありません」
「形状が劣化って」
「信濃は上部構造物の工作をはしょったのでまるで空母の方に真っ平らですが大丈夫。性能に変化はありません。上部構造物はどうせ飾りですから」
「他の船は?
「紀伊と尾張は、工作が雑で主砲が2連装になって、しかも穴もおおざっぱに大きめですが、性能に変化はありません。どうせ撃たないダミーの砲塔ですから」
「じゃあ、まほろばは?」
「学徒動員の非熟練工が頑張りすぎて砲塔を多く作りすぎましたが、大丈夫です。砲塔はどのみちダミーですから」
「ダミーダミーって、それでいいのかね?」
「はい。もともとバルーンダミーですから」
「ぎゃふん。ダミだこりゃ」