今回からタイトルの「初期」を取ります。
『杉並の地図を読む』図録 §
こんなものがあったなと改めて開いて見ると。
- 迅速測図の計測時期は通船後で間違いない
- 明30の地図でも古いまま (ただし、改修しているだけなので当てになるかは分からない)
ということで、ここで問題にしている流路改修と通船は関係無さそうです。
現地再調査 §
美宿橋のあたりから高三のあたりまで、また歩いてみました。
高低差を検証しつつ歩いてみましたが、以下のような状況でした。
- 下高井戸において、玉川上水は主に北の崖方向に拡張しているようだ
- 盛り土で足りない高度を補って水路を広げている感じだ
- 場所によっては位置そのものが北にずれているかもしれない
- 従って、崖は急な落差を生じている
- ただし、下記ポイントのみが決定的な難所となっている
問題はこのポイントです。丘と崖に挟まれた土地が極めて狭く、しかも北に張り出しています。実際にここで玉川上水の幅が広くなっているのは、丘を削ってなだからか傾斜を作る必要があるためだと思われます。その範囲までが確保されていたということです。
すると、このあたりの南側に存在する水道用地には東半分はそのような目的で確保されていた土地だと思われます。
では、西半分は何かと言えば、地図や標高データを見る限り、改修前の水路跡であると思われます。
北沢用水が入る余地はあるか §
次の問題は、仮定が事実であるとすると玉川上水と平行して北沢用水が存在したことになる点です。この点では、あまり良い結果を出せていません。何も全く解釈が出てこない状況です。