「最近、映画館ではすっかり3D上映が定着した」
「上映本数の割合では多くないよね」
「そうだ。まだ一部に限られるが。いくつも3D映画が作られて上映が続いている」
「確実に一角には食い込んだって事だね」
「ちなみに3Dメガネには複数の方式があって、それぞれ実現方法がやや違う」
「そうか」
「TOHOシネマズ府中では、2月ぐらいに設備を入れ替えてメガネも変わった」
「どう変わったの?」
- 重い→軽い
- 電池入り→無電源
- 見たら返却→持ち帰り可能
- 毎回同一価格→前回のメガネ持参なら100円安くなる
- 画像どんより→画像すっきり
「いい話ばかりじゃ無いか」
「そうでもない」
「えっ?」
「予想もしなかった迷宮に迷い込んだ」
新たに発覚した問題とは §
「いったい何が起きたの?」
「前回のメガネ持参なら100円安くなる、ということは実は『保管』と『持ち運び』という2つの作業が発生するようになった」
「そうだね」
「しかし、目に付けるメガネである以上、ラフに扱えばすぐ傷や汚れが付いてしまう」
「うん」
「それが即座に映画体験にマイナスとして作用する」
「そうだね」
「だからケースに収納して大切に保管する必要があるのだが、100円安くなるだけなのであまり高価なケースを買うと赤字だ」
「毎回、100円払って新しいメガネをもらった方が安上がりって事だね」
「その点で、調べてみると100円ショップにメガネケースがあることが分かった。100円のケースなら、まあ何回か見れば元は取れる」
「めでたしめでたしだね」
「そうじゃない」
「えっ?」
「実はこの3Dメガネ、通常のメガネよりサイズがでかいんだ」
「ええっ?」
「その結果、2つの別個の100円ショップで調べてみたのだが、そこで売っているケースには収まらなかった」
「ダメじゃん」
「なので悩んでいる」
「ははは。それは悩むね。高いケースを買ったら負けだし、かといって安いケースでは収まらないと」