2011年05月11日
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感想「クラウド コンピューティングEXPO【春】」

Written By: 川俣 晶連絡先

「東京ビッグサイトのクラウド コンピューティングEXPO【春】に行ってきた」

「そんなイベントがあったのか」

「データストレージEXPO等の複数のイベントが一緒に行われている。それぞれ専門性は高いイベントだ。相互に区分無く見ていけるけど」

感想 §

「それで面白かった?」

「実は今ひとつはっきりしない。印象が曖昧なんだ」

「えっ?」

「各社、自社の名前とブースの大きさ、スタッフの多さ、コンパニオンのファッションで競っている感じなのだが、肝心のクラウドの何をアピールしているのかがはっきりしない。ビジネスとかエンタープライズとかいう言葉が踊っていても、そこから具体的なイメージが浮かんでこない」

「ええっ?」

「こちらが期待したのは、『XX地域にXX個のデータセンターを持っていて、お客様のデータをがっちり安全に守ります』という話だったが、そういうアピールはあまり見なかった印象だ」

「そうか」

「すべてきちんと見たという気は無いが、その中でかろうじて印象に残ったのがマイクロソフトとAmazon。マイクロソフトはノートPCを並べて体験可能としながらCRMをアピールしていた」

「Azureじゃないんだ」

「AzureじゃなくてCRMだった」

「Amazonは?」

「日本語化された管理ツールをアピールしてたな。実際は他社製品らしいが」

「なるほど。それならある程度イメージしやすいね。でも、商談をまとめるための展示会なら、それほど具体的じゃないのが当たり前じゃ無いの?」

「そうではない。クラウド コンピューティングEXPOは前回も行ったが、もっと具体的だった。それから、併設の他の展示会はもっと具体的だった」

「えっ?」

「たとえば、すぐ近くにあったソフトウェア環境展に行くと『Webで帳票』のようなもっと具体的でイメージしやすいアピールが目立った」

「あくまでクラウド側の問題ってことだね」

実はデータストレージEXPOが良かった §

「実は、データストレージEXPOの方が漠然と予測した内容によほど近かった」

「えっ?」

「最大のヒットは日本SGIのブース。サーバを詰め込んだコンテナの現物を展示していた」

「コンテナって、でかいでしょ!」

「でかいぞ。人が入れるサイズだ。ブレードが51個入るラックが4つ入るコンテナと言っていた」

「でかいな」

「こちらから吸気してこっちから排気すると説明してくれた。凄いぞ。圧倒的な説得力だった」

「どこで利用されているの?」

「残念ながら発表したばかりでまだ実績は無いらしい」

「それは残念」

「しかし、クラウド コンピューティングEXPOの印象が曖昧に終わったのに対して、ソフトウェア環境展とか、データストレージEXPOとか、グリーンIT&省エネソリューションEXPOは具体性があって良かったぞ。実際の機材を展示しているケースも多かったし」

「そうか」

「名前は忘れたが、CDをアームで交換するシステムを実際にデモしていたブースもあったしね。ああいう、見てすぐ分かる世界もあった」

他はパス §

「で、やっていたのはそれだけかい?」

「いや、他にも山のように展示会があったが、東館の半分だけおおざっぱにまわって帰ってきた。さすがに、それ以上は体力が持たない。特に西館まで行くかと言われると、具体的に見たいものも無い状況で行くのはきつい」

「スマートフォン&モバイルEXPOとか、君なら行きそうな気もしたけど」

「最初は立ち寄ることも考えたが、行っても意味ないからやめた」

「どうして?」

「おそらくAndroidとiPhone関連の展示しか無いからだ。ビジネスに参入する具体的な予定が無いどころか、個人的に買う予定も無いデバイスだしな」

「興味無しってことだね」

「ちなみに、ちらりと帰りにビジネスマンの会話が聞こえたが、スマートフォンと携帯の境界が分からないといっていた。まあ一般人のリアクションはそんなものだろう」

「君なら境界をどう答える?」

「通信機能とフルキーボードを内蔵したPDAがスマートフォン、としておくか。W-ZERO3ショック以前と以後を分ける境界線はそこにある」

「ちょっと待ってよ。今時のスマートフォンの大半はキーボード内蔵してないよ?」

「そうだね」

「それだと定義に当てはまらないよ」

「うん」

「それじゃ定義がまずくないか?」

「いや。キーボードを内蔵してないくせにスマートフォンと名乗るデバイスの方がまがいものだってことさ」

「ぎゃふん」

「いずれにしても、おいらが欲しいのは現在使っているAdvanced/W-ZERO3 [es]の直接の後継機になるデバイスであって、スマートフォンの定義は実はどうでもいい。というか、今のスマートフォンという用語そのものが意味の無いバズワードなんだろう」

「クラウドという用語と同じってことだね」

まとめ §

「それじゃ、今日のクラウド コンピューティングEXPO【春】はダメだったの?」

「そういうわけではない」

「でも期待とは違ったわけだろ?」

「それも含めて、クラウドの現状を知るにはいい機会であった」

「じゃあ、肯定するわけ?」

「イベントとしてはこういうイベントがあった方がいい」

「じゃあ、次も行ってみたいと思う?」

「うん、意向だけなら行きたいと思う。その時、実際に行ける環境にあるかは明確では無いけど。ちなみに、次は秋らしい」

オマケ・帰り道 §

「じゃあ、連続していない範囲のEXPOには寄ってないわけだね。東館の反対側とか、西館とか」

「うん」

「そのあと、まっすぐ帰ってきたの?」

「実はそうじゃない」

「えっ?」

「行きは、りんかい線経由かゆりかもめ経由か迷った。結局雨なので入り口により近いゆりかもめ経由を取って渋谷から山手線で新橋まで行ってそこからゆりかもめに乗った」

「うん」

「ゆりかもめは、正面に陣取って運転主気分で見ようと思った。椅子は座れなかったが椅子の後ろに立って正面を見物しようと思った」

「子供め」

「でも途中からガラスが曇ってきて外がよく見えなくなった」

「わははは。その年で子供みたいなことをするから天罰だ」

「しかし、途中で『豊洲経由』という選択肢を思い出した」

「ゆりかもめで豊洲に行けるね」

「だから帰りは、豊洲経由で有楽町線で市ヶ谷まで行き、そこから都営新宿線直通京王線という径路を使って帰るかと思った」

「それは楽そうだね」

「ところが、それは面白くないのだ」

「どうして?」

「4路線にまたがるので運賃が高く付く」

「おっと」

「だから、永田町で降りて丸ノ内線に乗り換えようとした。丸の内線で新宿に出れば3路線で済むからだ」

「そうか」

「ところが、丸ノ内線のホームまで歩く途中で、いきなり『渋谷方面』の文字が目に入った」

「えっ?」

「半蔵門線のホームを経由するのだが、半蔵門線は渋谷経由で東急に乗り入れるのだ」

「まさか」

「更にそこから経路変更さ。丸ノ内線ホームまで歩くのはかったるかったので、そのまま半蔵門線で渋谷へ行った。井の頭線経由で帰れば、3路線で済む」

「そうか」

「ところで、実は鍋を買う必要があり、京王線は上北沢まで乗ってそこでスーパーバリューに行こうかと思っていた」

「なぜ鍋」

「出かける前に、取っ手を壊してしまったんだよ」

「ありゃりゃ」

「でもさ。はたと気付いたんだ。渋谷だったらハンズに行けば鍋ぐらい売ってるはずだ」

「東急ハンズか!」

「というわけで、ホーロー鍋を求め渋谷を放浪し、ハンズで鍋を買って帰ってきた」

「ホーロー鍋を求めて放浪って、ダジャレかよ」

「てへ」

「しかし、行き先がハンズと決まっていてなぜ放浪」

「スペイン坂経由で近道する径路を模索してみた。ハンズ行きに使ったことがない径路だったので、放浪だ」

「わははは」

「というわけで、壊れたのは両手鍋だったのだが、同じサイズの安い鍋は片手鍋しか無かった。片手鍋を買って帰った」

「それは予想外のオチだね」

「出かける前に想定しなかった経路変更がこれほど多い外出も珍しい」

オマケ・ハンズ §

「渋谷の東急ハンズなんて行くのは何十年ぶりか分からない」

「かなりご無沙汰したみたいだね」

「しかも、新宿のハンズで用事を済ませた時代もあるから、なおさら足が遠のいていた」

「そうか」

「でもやっぱり面白いな、ハンズは。見ていて飽きないぞ」

「そんなに?」

「鍋を売っていた箇所からそれほど遠くないところで、ツンデレのカルタとか、ダイヤブロックよりずっと小さいブロック玩具とか置いてあって、見ているだけで飽きなかった。鍋売ってるフロア(2階)より上には行ってないのに、かなり時間を使って見物しちゃったよ」

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