The art of from up on Poppy Hill : コクリコ坂から
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2011年07月29日
トーノZEROアニメ感想コクリコ坂からtotal 3775 count

当たり前田のクラッカーと1963年という時代感

Written By: トーノZERO連絡先

「コクリコ坂で面白いのはさ。細部にこだわるといろいろな意味が出てくる」

「たとえば?」

「木村屋と中村屋の話とか」

「どうして? たかが食料品店じゃないの?」

「実は中村屋っていうのは、たかが食料品店じゃないのだ。芸術家のサロン的な側面もあったし、インドの革命家をかくまったこともある」

「えっ?」

「いろいろな食文化の紹介者という位置づけもある。カレーライスも紹介してるし。ボルシチも紹介してるし」

「えーっ」

「1963年といえば、まだそういう文化的な側面が色濃く残る時代だろう」

「そうか」

「対して木村屋はあんパンの考案者だ」

「えっ?」

「ある意味で、ただの食料品店を超えた論争があってもおかしくない。当時ならね」

「そうなのか」

「ちなみに確認中に面白いことが分かった」

「なんだい?

「西新宿木村屋ビルというのは通称Kビル。昔マイクロソフトが入っていたんだ」

「それがどうした?」

「中村屋の笹塚の工場跡地の一角に建つ笹塚NAビル。これにもマイクロソフトが入っていたんだ」

「えー」

「どっちも行ったことがあるよ」

「妙なところでITに縁があったね」

「ちなみに、KビルはENIXが入っていたこともあるよ。なんと同じビルにENIX本社とマイクロソフトの日本法人の本社が同居していたこともある」

「人材の交流があったのかい?」

「いやぜんぜん。Kビルって階層ごとにエレベーターが分けられていて、同じエレベーターに乗らないんだ」

「ぎゃふん」

「しかも、マイクロソフトはゲームをほとんど扱ってなかった時代だからね」

「マイクロソフトにはゲームがなかったの?」

「ゼロというわけではない」

「たとえば?」

「Windows 3.0以降はWindowsにソリテアというゲームが付いている」

「それ以前は?」

「リバーシというオセロみたいなゲームが付いていた」

「ぎゃふん」

あたり前田のクラッカー §

「しかし、もっと面白いのが『あたり前田のクラッカー』だ」

「どうして?」

「1964年生まれの自分は、これが良く分からなかったんだ」

「それはなぜだい?」

「以下を見れば分かる」

前田製菓より

1962年(昭和37年)から1968年(昭和43年)までテレビ放映され、人気を博したコメディ時代劇『てなもんや三度笠』(朝日放送/ABCテレビ制作・TBS系列放送)のスポンサーとしても知られる。主力商品の「ランチクラッカー」は、『てなもんや…』主演の藤田まこと[1]が番組のオープニングで“俺がこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー!”というフレーズを発しながらカメラに差し出すコマーシャルで人気商品となった。

「そうか。1964年ならCMやってるけど、物心つく前に終わっているんだ」

「記憶が明瞭になってくるのは1969年ぐらいから。70年になると確実。何しろ大阪の万博があったからね。EXPO70だ。だから、微妙なラインでこれが印象に残らないんだ。家でてなもんや三度笠を見ていたかもはっきり覚えていないぐらいだ」

「そうか」

「でも、1963年の世界なら、あたり前田のクラッカーと言って笑う奴がいそうだ」

「なるほど。そこに1963年の世界のリアリティがあるってことだね」

「そうだ。僅差で見られなかった世界なんだよね。それが1963年」

「お兄さん、お姉さんは見ているのに、自分は見ていない世界は悔しいね」

「だから、ALWAYS!三丁目の夕日なんて映画が作られてヒットするわけだね」

「それが1964年生まれの昭和30年代感?」

「昭和39年生まれということは、少なくとも昭和30年代の空気の一部を味わったはずなのに覚えてないんだよ。これは悔しいぜ!」

「素晴らしいノスタルジーに浸れない?」

「わははは。昭和30年代はそんなにいい時代じゃない。みんな勘違いしてるけどな」

「でも、活気はあったみたいじゃないか」

「そうだ。みんなで東京オリンピックを成功させよう!ってことだ」

「えっ?」

「コクリコ坂にも山ほどポスター出てくるだろ? 理事長の後ろにもね」

「そうか」

「だからさ。単なる国際スポーツ大会じゃないんだよね。あの世代にとってのオリンピックは。だから、石原都知事がもう1回やりたがるのも分かる。単なる国際スポーツ大会だと思っている人は分からないけど」

「できると思う?」

「おそらく無理。今の日本は、夢より目先の配当だからね」

「でも、コクリコ坂にはそれが描かれているわけだね」

「そうだ。宮崎吾朗監督、1963年は分からないと言いつつ、ちゃんと描いてるじゃないか。偉いぞ」

学生気質 §

「そういえば、討論会で激しく争っているのに先生が来ると一緒に歌を歌って誤魔化しちゃうのも、ああいう気質は1963年だからあり得ると言えるのかも知れない」

「どうして?」

「おいらの世代だともう希薄だからさ。でも、ああいう気質の残骸が、1年上の先輩ぐらいまではまだあった」

「ぎりぎりの境界線上ってことだね」

「おそらく、1年下の後輩になると、そういう気質があったことも気付いていない可能性もある。まあ、地域差や個人差もあるから、簡単には割り切れないけどね」

「そこが、コクリコ坂が1963年でなければならない必然性ってことかな」

「うん。ちょっとだけ理想を語れるエネルギーがあった時代だよ。もっと手前だとまだエネルギー不足。ちょっと後だと、燃え尽き症候群としらけが出始める」

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