「丸善丸の内本店 ~もりやすじの世界展~に行ってきたよ。もうすっかりもりやすじも歴史の中の人だ」
「もりやすじって誰だ?」
「宮崎駿らの先輩筋に当たる偉いアニメーターだ。特に動物キャラを得意とする」
「代表作は?」
「自分の知っている世界でいえば、どうぶつ宝島、ハッスルパンチ、山ねずみロッキーチャックなどだな」
丸善丸の内本店 §
「丸善丸の内本店ってどこかと思った。途中までは分からなかったが、実は丸の内oazoの一部で、行ったことがあるビルだったよ」
「oazo?」
「今はそういうビルがあるんだよ」
「それで?」
「おおむね了解した。複製原画を売りたいビジネスがあって、成立しているようなところがあるイベントみたいだ」
「複製原画って……」
「もりやすじ大好きだけど、複製原画が売れるほどのネームバリューがあるのかは知らない」
「そんな……」
感想 §
「もりやすじの資料も凄かったが、関連してふくやまけいこが描いたどうぶつ宝島のキャシーの絵があったのが印象に残ったね」
「キャシー?」
「超元祖戦闘美少女だろう。二丁拳銃で戦う少女だ」
「超元祖?」
「『萌え』も『セーラムーン』もまだ存在しない1971年の映画だからな。それどころか、更にその元になったスケバン刑事すら存在しない。スケバン刑事の原作すら存在しない時代だ」
「どうして特にそれがいいの?」
「ど宝島が好きだからさ」
「ど宝島?」
「どうぶつ宝島のことさ」
「どうして?」
「もりやすじと若い宮崎駿が参加していて、もりやすじの動物キャラ、戦う美少女に、フネの冒険。最高じゃないか」
「どうぶつ宝島が好きだから今回は良かったわけ?」
「それだけじゃないぞ。アニメ以外もいろいろな展示があって、良かったぞ」
「そうか」
感想2 §
「自分の原点がここにあるのは良く分かった」
「原点?」
「いくら、空飛ぶゆうれい船のゴーレムを子供の時に見たと言っても、宮崎駿もまだまだ若い。それよりも、もりやすじの動物キャラに影響された面が大きい。モノクロ時代は、レインボー戦隊ロビンとハッスルパンチが影響された双璧なのだが、ハッスルパンチがもりやすじ作品なのだ」
「そうか」
「だが、自分が知っているもりやすじの世界はそこまでだ。それより過去になると、もう歴史の領域だ」
「歴史か」
「自分の知らない過去世界をもりやすじは生きてきたのだ」
「だから、歴史関係の話に入っちゃうわけだね」