「自転車で甲州街道から井の頭通りに入った時、思いついた。画期的なサービスだ」
「何?」
「井の頭通りにHaitterという名前で、井の頭通りに入ったことをつぶやく専用サービスだ。メッセージも定型でいいからボタン1つで送信。アプリも画期的に作りやすいし、操作性も抜群」
「意味が無い」
「そうでもない」
「だって、みんな同じメッセージを呟いても意味ないだろう」
「違う。なぜなら、つぶやきが多いと井の頭通りは混雑している可能性が高い」
「なるほど。量の問題で意味が出てくるのか」
「なので、甲州街道Haitterや、環七Haitterなどの類似サービスも考えた」
「それも意味があるってことだね」
「いや。道が長くなるとそうでもなくなる。おそらく東名Haitterとか名神Haitterに意味は無い」
「なぜ?」
「全線で均一に入ったときと、特定の場所で集中的に入った時では混雑状況がまるで変わるが、このアイデアではそれを識別できない」
「そうか」
「それに、長い道のどこで渋滞しているか分からないなら、意味は無い」
「確かに……」
「強引にそんなサービスを立ち上げても、結果に意味が無いと笑われるだけだ」
「どんな風に?」
「『名神Haitterで混雑が分かるなんて迷信さ』」
「ぎゃふん。オチはダジャレかよ」