「長らく気づいていなかったのだけど、明大前の啓文堂の下にある地下へのスロープは駅に通じる傾斜路じゃなくて、駐輪場なのだ」
「へえ」
「今日、初めて使った」
「金を取られた?」
「料金体系の違う2つのゾーンがあって、1つは1時間まで無料だった。おかげで、本屋を見て帰った」
「ひやかしかい」
「明日はゲッサンを買うから今日は遠慮したのだ」
「それで、地下に駐輪場がありました、という話しでおしまい?」
「そうじゃない。小さい話題と大きい話題がある」
「小さい話題から聞こうじゃないか」
「実は、自転車専用のエスカーレーター的なものがある。自転車を乗せると自動的に上に向かって移動する傾斜路だ」
「へえ、そんなのがあるのか」
「あったのだ。珍しいから知らない人は見物に来るといい」
「それで大きな話題は?」
「自転車を空いている場所に入れて、さて番号は何番かなと思って見たら69番だった。番号を忘れないようにしないと解除できないのだが、これは一生忘れられそうにない番号だ」
「先生質問」
「なんだい?」
「69番だとなぜ一生忘れられないのですか? 素数でも無いし」
「それはお父さんお母さんに質問してね。いや、質問しちゃだめだ。お父さんお母さんが悲しむ」
「なんだよそれは」
「みんなが敬遠してそこだけ空いていたのが分かる番号だね」
オマケ §
「遠回りして帰ったら、甲州街道と井の頭通りの交差点のところの首都高の下は無料駐輪場なんだね」
「どこまで遠回りして帰ってるんだ」