「ACE COMBATシリーズのシナリオについて、実は3種類に分類できることに気づいた」
「どんな分類だい?」
「以上の3つだ」
「説明してくれよ」
「直線型というのは、分岐が存在しないタイプだ。AC04が代表例かな」
「誰がどうやっても必ず同じミッションを経てメガリスで終わるわけだね」
「発散分岐というのは、プレイヤーの選択によって同じものを見ないかもしれないし、結末も違う型。AC3が代表例だ」
「結末が5種類あるものね」
「収束分岐型とは、プレイヤーの選択によって同じものを見ないかもしれないが、必ず同じ場所に合流して結末は同じという型。AC5が代表例だ」
「コインの表裏で違うミッションに行っても、リムファクシ攻撃は必ず同じってことだね」
「うん。そこで難しいのがAC6の解釈」
「どうして?」
「大きく見ると直線型なのだが、オペレーションを選べるという意味では分岐がある。しかも、最終的に2ndに入って同じ展開になるとも限らない。アネア大陸上陸戦とか、クリアしたオペレーションで2ndの内容が変化してしまう」
「なるほど。解釈が難しいね」
「だから、AC6は折衷型と解釈したい」
「なるほど」
「そう思うと、実はAC04も長時間の大作戦ではどの敵拠点から攻略するのかという攻略性があって、折衷型なのかもしれない」
「そうか」
「とすると、面白くあるためには実は折衷型で十分であるとも言える。あまり大胆な分岐は必要無い」
「確かにAC04は人気高いものね」
「そうだ」
「それで、その違いにどんな意味があるの?」
「ACAHは直線型なのだ。実はほとんど選択の余地が無い。ガッツが上の敵から行きますか、下の敵から行きますか、といった質問をしてくる場合があるが、せいぜいその程度だ」
「確かに自由度は低いね」
「たとえば、前線着陸という要素がある。AC6だと、いつ降りるかは自分の判断だ。敵を減らしてから降りるか、それとも強引に敵がいても降りてしまうかはあくまで自分の判断。危なすぎる判断をすれば、離陸中に落とされるというゲーム性がある。でも、ACAHにはそういう判断の部分がない」
「シナリオで着陸するタイミングが決まっているってことだね」
「さらにドアガンナーになると敵を攻めるタイミングまで自由にならない」
「凄く硬直的ってことだね」
「でも表面的にはその差はあまり見えてこない」
「確かに、表面的にはAC6もAC04も直線に見えてしまうね」
「でも実際はプレイ中の判断の幅が広いわけだ」
オマケ「時計の感想」 §
「ACAHの時計をダウンロードしたよ」
「iPod touch?」
「そうだ。ずっと使っていなかったから電池が干上がっていた。中身も全部飛んでいた。充電から開始だよ」
「よほど嫌いなんだね」
「嫌いというより、使えないと言った方が正解だろうな」
「それで、感想は?」
「某氏がかつて言っていた。スマホは時計と壁紙チェンジャーばかり」
「は?」
「また1つ、つまらぬ時計が増えてしまった」
「美しい映像が売りじゃないの?」
「うちのテレビはD4解像度でD5まで出ないと言っても、ちっちゃな液晶よりもずっと綺麗だよ」
「そんなもの?」
「しかも、動くよ。Xbox360のスイッチ入れればちゃんと飛ぶ。でも時計の戦闘機は動かない」
「ぎゃふん」
結局…… §
「俺に美学に従え、という判断の幅を与えない強制がApple流なんだろうね。そして、ACAHも同じ。でも、そういう拘束から逃れるために空を飛びたいプレイヤーには逆効果。評価するどころか忌諱されてしまう」
「それで君はACAHをもう終わっちゃったわけだね?」
「飛んでいて疲れる一方だものな。楽しくないゲームに付き合う気は無い」
オマケ §
「ちなみにAC6の欠点を研究してACAHはできているはずなのだが……。そこにも罠があるかもしれない」
「罠?」
「AC6は無駄に敵が多すぎて把握しきれないのが弱点……と当初は感じた。でもね。今は逆に敵が多いから攻め方にバリエーションがあって展開が豊かだと思える。評価が一変したんだ」
「弱点が長所に変化したのだね」
「そうなってくると、弱点を克服したタイトルが実はなんら弱点を克服してないという矛盾が起きてしまう」