「向陽中まで東京電力総合グラウンド等を都市計画公園とすることについての説明会に行ってきた」
「それでどうだった?」
「要するに形式も内容も京王線の高架説明会と似たようなものだ。規模が小さいだけ」
「じゃあ、内容も似たようなもの?」
「とんでもない。まるで雰囲気が違ったぞ」
「具体的には?」
「長々と自説をぶって時間を潰すマナーの悪い奴はほとんどいなかった。質疑応答の時間が長かったこともあるけど、かなり多くの人が喋った。しかも、ほとんど下高井戸2丁目住人」
「どういうことなの?」
「区民から預かった大切な税金を節約したい役所側と、つつましく長続きする公園を望む区民側。どちらも、金は無駄遣いできないという認識で一致している」
「だからどういうこと?」
「派手な儲け話に繋がらないし、公園にするというコンセプトそのものは周辺住民の支持を受けてコンセンサスにもつながる。細部で異論があっても、大筋では反対が無い。景観も悪くならない」
「周辺住民の支持を受けた、しかも儲けも少ない話は『迷惑な人たち』からスルーされてしまうわけだね」
「だからよくわかったよ。あの『迷惑な人たち』は、大金が動く案件の周囲で暗躍する人たちであって、基本的に背景には利益誘導がある。誘導すべき利益が薄かったり、反対論を出しにくい環境には出てこない」
感想 §
「地元住民の生の声が聞けて非常に勉強になったよ。途中で寝ることもなかったし」
「そうか」
「たとえば、ろう学校と東電グラインドの間の部分に土地が残っている部分があるが、持ち主不明瞭な土地もあるとか」
「そうか」
「あと。東電グラウンドの手前の道を『水路』と呼んで住民側も杉並区側も話していたのがエキサイティングだね。あれは両者の認識では『水路』なんだよ」
「ひ~。今はどう見ても道だろ?」
「その通りだ。それから、下高井戸公園や、旧神田川跡の土地なども一緒にして公園にしたらどうかと思っていたらそういう計画だった。ちゃんと分かっているな」
「そうか」
「ちなみに、旧神田川跡の土地は都有地だそうだ」
「へえ」
「あと、東電グラウンドは本来緊急時にヘリで機材を搬入する場所だから、東電は手放さないはずの場所であったそうだ。結局、今は手放す方針で動いているけどね」
「それじゃ手放したら緊急時に困るじゃないか」
「東京の人がいくら困っても、可哀想な東北の人に補償しろって風潮だからな」
余談 §
「ちなみに、向陽中の体育館が会場であったが、あそこのあのあたりが昔は仕事場だったな、とか思い出したよ」
「仕事場?」
「放送委員で機材を使っていた場所さ。向陽中に在学中のうち2年半は放送委員だった。放送委員長だったこともある」
「今明かされる意外な事実」
「だから朝礼の時も機材を見てたからみんなと一緒に並んでいないのだ。わはははは」
「なんていう特権階級」
「雑用係とも言うけどな。文化祭で歌うとかいうと、マイク準備するのが仕事だし」